記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/1
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
何事もそうですが、こと禁煙においては「自力ですべてをやろうとする」「ただ我慢するだけ」では中々成功することはできません。そこでこの記事では、禁煙を成功させるためのポイントをご紹介します。
まずは明確な禁煙達成日を決めましょう。期限がはっきりしていないと、目標をついつい先延ばしにしてしまいがちだからです。また、このときに禁煙する理由を明確にして再度確認しておくことも忘れないでください。
禁煙を成功させるには「タバコを吸いたい」という気持ちにならないこと、そのような気分になってもタバコを吸えない状況を整えておくことが重要です。
タバコ、ライター、灰皿などは家の中から無くしましょう。お気に入りのタバコケースや特別なライターのような道具も同様です。ただし本当に特別なライターを持っている場合は、キャンドルや香炉、暖炉を使うときにだけ使用してください。
・寝具やカーペット、カーテンなどを替える
・服と寝具を洗濯する
・掃除機をかけて空気を入れ替える
これらを実行する理由は、染み付いたタバコの煙や臭いを取るためです。せっかく禁煙をしていても臭いによってタバコを吸いたい気持ちが誘発されるのを防ぐ目的があります。
禁煙日には特別なご褒美を自分に与えるようにしましょう。禁煙へのモチベーションとなるのはもちろん、タバコが吸えない寂しい気持ちを紛らわせてくれます。マッサージに行く、新しい家具を買うなど、タバコに費やしていたお金を自分への報酬に替えてしまいましょう。
自分の力だけに頼らないことも大切なポイントです。禁煙を決めたら家族や友人に知らせ、助けが必要なときはバックアップしてもらいましょう。少なくとも数日間禁煙が続いて自分の意思の力に自信を持ち始めるまでは、タバコを吸いたくなるような場所やシチュエーション、過去にタバコを吸っていた場所を避けるようにしてください。意識して禁煙ゾーンで時間を過ごすようにし、子供たちと一緒にスポーツをして過ごすなど、喫煙を助長しないような活動に参加しましょう。また、友達、家族、同僚の中に喫煙者がいれば、自分の周囲でタバコを吸わないよう頼んでみてください。
喫煙期間が長いほど、離脱症状(ニコチン中毒とも)が強く出ます。そのことが禁煙期間中にタバコを吸ってしまうという失敗につながるのです。もちろん理想的なのはタバコを吸わないことですが、たとえタバコを吸ってしまったとしてもあまり自分を責めすぎないようにしましょう。離脱症状は数週間以上続くことはなく、禁煙を始めた2~3日後に、特に激しくなりますが、これは体が毒素を取り除いて健康に戻る道を切り開くための肯定的な兆候と考えてください。
自分に厳しくしすぎないことは大切ですが、「1本だったら大丈夫」という考え方には特に注意が必要です。仕事の締め切りのようなストレスの多い状況に陥ったり、パーティーのような特別な機会では喫煙の誘惑を感じることも多いでしょうが、これは喫煙習慣の再開を誘発させる大きな原因になります。1本だけのつもりがもう1本、やっぱりさらにもう1本と、タバコの誘惑は次々とつながっていくことをよく覚えておきましょう。
禁煙は早ければ早いほうがよいのですが遅すぎることはありません。年齢を問わずタバコを避けることは健康状態を向上させ、寿命を伸ばしてくれます。取り組む際には達成日と動機を明確にし、段階を踏んで禁煙を成功させましょう。