記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
便秘は生活習慣の乱れが原因となることがほとんどです。生活習慣を見直すことが、解消法として効果的です。今回の記事では、日常生活に簡単に取り入れられる便秘の解消法について解説します。
便秘の原因のほとんどは悪い生活習慣といわれています。便が硬くなり動けなくなったときに便秘になりますが、人の排便のペースは1日に3回から1週間に3回までと幅があり、便が柔らかく、腸の中を簡単に移動できるようであれば便秘ではありません。排便しない時間が長ければ長いほど、便は大きく硬くなり、排便する時に痛みが起こりやすくなります。その他の原因としては以下のようなものがあります。
・食物繊維が乏しかったり水分があまりにも少ない食事
・子供によく見られる、自然に生じる排便の遅れ
・旅行に行くなどの日常のルーティーンの崩れ
・運動不足
・薬剤
便秘は過敏性腸症候群や新陳代謝、内分泌系や神経系に関する病気など、その他の病気の兆候である可能性もあります。
以下に便秘を自然に解消するための方法をご紹介します。
以下の生活習慣を改善することは便秘解消で重要です。
・ストレス管理
・繊維質の食べ物による栄養作用の改善
・運動
以下のような便秘を引き起こす食べ物を避けましょう。
・精製された食品や加工食品
・乳製品
・アルコール
以下のような栄養素は便秘の手助けとなることが証明されています。
・ビタミンC
・ビタミンB群
・マグネシウム
よく使われる便秘の補完医療に、漢方薬や自然療法があります。ただし、自然療法についてのガイドは、医師の評価やアドバイスには置き換えられないというとを覚えておくようにしましょう。以下に自然療法について解説します。
便秘に対する自然な解消法には、高食物繊維の食べ物を定期的に摂取することをおすすめします。果物(レーズン、プルーン、桃、りんご)や、野菜(カボチャ、ブロッコリー、にんじん、セロリ)、全粒穀物のシリアル、パン、ブランなどを多く食べるようにして、食物繊維の量を増やしましょう。
食物繊維の摂取量を増やすときは、より多くの水分を摂る必要があります。ただし、腸閉塞になったことがあったり、人工肛門などの腸の手術を経験した人は、食物繊維を摂り過ぎないように気をつけましょう。
水分摂取量を増やすため、飲み物を毎日約8杯飲みましょう。 温かい飲み物を、排便する時間の1時間半前に飲むようにしてください。ただし、腎臓病や心臓病の患者は水分摂取量を制限する必要があるかもしれません。
ウォーキングやヨガなどの定期的な運動をすることや、腸をマッサージすることは排便を促す効果があるといわれています。
排便をするためのリラックスできる時間をとるようにしましょう。便意は通常食事の後に起こるので、便秘の子供に食後、特に朝食後にトイレに座っているように言うことは役に立つかもしれません。これを毎日のルーティーンにするのも良いでしょう。
便が排出されるタイミングになると、腸から脳にサインが送られ便意を感じます。便意を感じたらなるべくすぐに排便するようにしましょう。このサインを無視すると、便意は消えてしまい、最終的に便が乾いて排出されにくくなってしまうことがあります。子供の場合は、足置き台を使用し、足場をしっかりとさせることによって、子供がトイレで適切な位置に座れるようになります。
ストレスに対する反応の仕方はさまざまです。湿疹ができる人もいれば、偏頭痛が起きる人もいますし、ストレスで便秘になるという人もいるでしょう。常にプレッシャーを抱えているなど、ストレスを感じるているようであれば、自分なりのストレス管理方法を身につけておくことおすすめします。
排便できないことで子供が直腸の痛みを感じている場合には、温かいお風呂に重曹を60ml入れる方法を試してみてください。重曹とお風呂の温かさによって肛門括約筋(通常便を直腸の中にとどめておく筋肉の弁)を緩み、便が排出されやすくなる可能性があります。
オピオイドの鎮痛剤によって引き起こされる便秘は、注射によって投与される薬で治療できるかもしれません。また、座薬や浣腸剤は、医師に指示されない限りは使わないようにしましょう。がん患者の場合、このような治療によって出血や感染症、その他の副作用が現れることもあるかもしれません。
便秘の人は、腸を定期的に空にすることが大切です。また、便秘は他の健康問題を引き起こす可能性があるため、できるだけ早く解消する必要があります。生活習慣を見直し、可能な限り便秘の原因を排除するように心がけてください。