食事の安全 ~ 家族の健康のためにできるヒント ~

2017/7/29

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

食品由来の病原性細菌から家族を守る方法についてご存知ですか? 食事の安全を考えることは、家族の健康を守るために大切なことです。今回の記事では、食事を安全にするためのヒントをご紹介します。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

食事の安全のためのヒント

台所には、食品由来の細菌という潜在的な危険性が潜んでおり、毎年、非常に多くの食物経由の疾患が起こっています。これらの症例のほとんどは軽度ですが、免疫システムの弱い子供が罹患すると深刻な症状に陥る危険性があります。食物経由の疾患を予防するためには、食品を正しく保管することが大切です。以下に食事を安全に行うための方法をご紹介します。

手を洗う

手洗いは簡単な方法ではありますが、最も重要な予防対策です。あなたが食事やお菓子、または飲み物を準備する前に、流水と石鹸で手を洗うことは、細菌の拡散を防ぐ最善の方法といえるでしょう。

まな板は食品によって使い分ける

野菜用、肉用、魚用と別々のまな板を使うようにしましょう。使用後は毎回、高温のお湯と洗剤で徹底的に洗い、傷がたくさんついたまな板は処分してください。細菌は小さな隙間に隠れて増殖します。

生の食品の扱いに気をつける

生の食品を置いた後のお皿やボウルに、調理済みの食品を置かないようにしましょう。例えば、ハンバーグを焼く際は、調理後のものと調理前のものは別の皿に盛るようにしましょう。これは肉だけでなく、野菜や果物などについても同様です。

頻繁に掃除する

キッチン周りは、しっかりと掃除するようにしましょう。時間が無いときでも、除菌クリーナーで拭きとるぐらいはするようにしましょう。細菌は速く繁殖します。キッチンカウンター、シンク、食器洗浄機などは特に注意深く消毒してください。

食器用タオルやスポンジを甘く見ない

湿った食器用タオルやスポンジは、細菌が繁殖しやすい環境です。どちらも頻繁に洗うようにして、定期的に漂白しましょう。スポンジは、1ヶ月に1回は交換し、 使用中もこまめに洗うことが大切です。時間がないときは、30秒間電子レンジにかけて殺菌してもいいでしょう。

食品の安全な保管方法

食事は、栄養と安全が重要です。食事の安全を保つために、残り物を保存するときには、次の食品安全上の注意を守ってください。

冷蔵する

すぐに食べる予定がない物は冷蔵庫で保管しましょう。残ったものはラップして冷蔵庫、または冷凍庫に保管します。冷凍・冷蔵することで、食べ残しを安全に保管する事ができます。

加熱する

残り物を温めるときは、殺菌のため十分に加熱しましょう。チルド食品は、熱くなり湯気がでるまで、スープは再び沸騰し始めるまで再加熱が必要です。

何度も冷凍しない

室温で解凍したものや、冷蔵庫で一晩放置したものは冷凍しないようにしましょう。

子供の食事を安全に保つヒント

子供の食事が母乳であれ、ミルクであれ、または固形食を食べていたとしても、以下の食品安全上の注意を参考に食べ物を保管しましょう。

残った母乳、粉ミルク、ベビーフードは捨てる

食器や哺乳瓶は赤ちゃんの唾液を介して簡単に細菌が繁殖するので、衛生管理に気をつけましょう。母乳は約3.8度で最大4日間冷蔵保存できるとされ、冷凍保存も可能といわれています。粉ミルクを買うときは、必ず賞味期限を確認し、容器が破れていないか、漏れていないかの確認も忘れないようにしましょう。母乳と違い、粉ミルクは冷蔵庫で48時間以上は保管できないので注意が必要です。

安全かどうか不安なときは食べずに捨てる

変なニオイや変な色をしているなど、何らかの違和感を感じたときは、賞味期限内でも捨てるようにしましょう。また、安全かどうかわからないときは、食べずに捨てるようにしてください。

オーガニックな食事を取り入れる

野菜や果物が豊富に含まれた食事を与えることが、子供の健康維持に役立ちます。有機栽培の食物は、殺虫剤、抗生剤、ホルモン、遺伝子組み換え、放射線等のリスクが少なく、栄養面でも優れているものが多いです。

しかし、オーガニックの食品だけで食事を全てまかなうことは容易ではありません。最寄のスーパーなどに十分な種類のオーガニック食品が揃えられているとは限りませんし、なによりオーガニック食品は高価なので家計に負担がかかります。
では、どのような食品を選んだらよいのでしょうか。

残留化学物質が少ない商品を選ぶ

有機栽培ではなくとも、残留化学物質が少ない食品を選ぶようにしましょう。皮や穀皮のある野菜や果物(アボカド、バナナ、コーン、メロン等)は、水で洗えて外皮を捨てることができるので、残留化学物質のリスクを避けやすいです。

おわりに:食事の安全と家族の健康を大切に

食事の安全は、家族が健康に過ごすためにかかせないものです。毎日の食卓を楽しく健康的にするために、できることから試してみましょう。

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