記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/1 記事改定日: 2019/4/24
記事改定回数:2回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
帯状疱疹といえば「水ぶくれができる」というイメージがあるかもしれませんが、症状にも段階があり、最初から水ぶくれができるわけではありません。
今回は帯状疱疹の症状の経過について説明していきます。
帯状疱疹の初期症状として体の痛みやかゆみのほか、発熱、悪寒、悪心、下痢、排尿困難などの症状があらわれる場合があります。
上の項目で説明した水ぶくれは、発症から2週間ほどでかさぶたになり、3週間以降にはかさぶたが取れて治っていくケースが多いです。
水ぶくれが大きく深い場合は潰瘍になって色素沈着などの痕が残る可能性がありますが、時間が経つにつれて目立たなくなります。
帯状疱疹が軽症ならば、2~3週間で自然治癒することも少なくありません。
しかし、高齢者が帯状疱疹にかかった場合は免疫力の低下のために重症化することが多く、合併症を発症したり、帯状疱疹をきっかけに全身状態が悪くなることもあります。
重症化するといつまでも強い痛みが残ったり深刻な皮膚潰瘍を患ってしまうので、できるだけ早く病院で治療を受けるようにしてください。
発熱、頭痛、リンパ腺の腫れなどがみられます。顔面にできた帯状疱疹の場合は、角膜炎や結膜炎などの眼の症状がでることもあります。
また、耳や眼のまわりに皮疹が出て、耳鳴り、難聴、顔面神経麻痺を起こす「ラムゼイ・ハント症侯群」という合併症が起こる可能性もあります。ラムゼイ・ハント症侯群になると発症した部位の筋力が弱くなったり、皮膚の知覚異常が起こったり、尿や便の出が悪くなったりすることがあります。
帯状疱疹はうつるものではないので、外出などを控える必要はありませんが、疲労やストレスが原因となって免疫力が低下したときや疲れがたまっている時に起こりやすいので、肉体的にも精神的にも安静でいるよう心がけましょう。
患部が冷えると痛みがひどくなるので、患部は冷やさずに温めて血行をよくしましょう。ただし、使い捨てカイロや温シップはやけどやかぶれを引き起こすので注意して使うようにしてください。
なお、入浴は水ぶくれが破れていなければ可能ですが、水ぶくれが破れないように注意が必要です。
水ぶくれが破れると細菌による感染が起こりやすくなります。破れた場合は発疹部をガーゼなどで覆って、他の人への感染を防ぐようにしましょう。
帯状疱疹は水ぼうそうになったことがある人にはうつることはありませんが、水ぼうそうになったことのない乳幼児には水ぼうそうとして感染する危険性があります。
帯状疱疹の発疹を触った手で他の人を触ると病気がうつる可能性があるので、発疹部をガーゼなどで覆う、発疹を触ったらすぐに手を洗うといった工夫をして他の人への感染を防ぎましょう。また、他の家族とのタオルや寝具の共有も避けましょう。
発疹が乾いてかさぶたになれば感染する可能性はほとんどないので、水ぶくれがかさぶたになるまで注意が必要です。
帯状疱疹は再発を繰り返すのが特徴です。特に、風邪をひくなど体調を崩したときや疲れが溜まったときなど、免疫力が低下しがちな状態になると、体内の神経節に潜んでいたウイルスが活性化して再発を引き起こします。
このため、再発を予防するには以下のような対策が有用です。
帯状疱疹の症状には段階があり、症状は発症から時間が経つにつれて重症化します。
できるだけ早い段階で治療をはじめられるよう、皮膚のかゆみや痛み、湿疹などに気づいたら、すぐに病院で診てもらうようにしましょう。