記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/2
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
解熱・鎮痛効果のある薬として、世界中で広く使われているアスピリン。頭痛や生理痛、腰痛、歯痛などの緩和のため、市販薬を常備している家庭も多いことでしょう。
さて、私たちがとても頼りにしているこのアスピリンには、どのような副作用があるのでしょうか?
アスピリンは、解熱や鎮痛を目的に服用される非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)です。ジェネリック医薬品もあり、処方薬としても多く利用されます。処方箋なしでも購入できる手軽な薬であり、安全性が高いとされていますが、他の薬同様に副作用が起こる可能性があります。
胃の粘膜を保護するプロスタグランジンの産生を抑えるため、胃が胃酸によって荒れやすくなります。そのため胃潰瘍や、消化管出血に注意が必要です。
また、タール便や血が混ざった嘔吐物、かゆみや発疹、ぜーぜーと苦しそうな呼吸、顔や目や唇の腫れ、耳鳴りや脱力感が見られたときも、薬の服用を中止してすぐに病院を受診しましょう。
アスピリンは、他の薬との相互作用により、副作用が起こることもあります。下記に副作用の可能性がある薬と相互作用をまとめました。
・酸中和剤と尿アルカリ化薬
薬物相互作用:アスピリンの効果を弱める
・アルコール
薬物相互作用:胃腸症状が出る可能性がある
・ワルファリンとその他の抗凝血剤
薬物相互作用:出血のリスクが高まる
・フェニトインやバルプロ酸など、てんかんの治療に使われる薬
薬物相互作用:抗てんかん薬の毒性のリスクが高まる。出血が生じる場合もある
・コルチコステロイド
薬物相互作用:共に胃粘膜を弱めるため胃潰瘍のリスクが高まる
・スピロノラクトンやフロセミドなどの利尿薬
薬物相互作用:利尿薬への反応が弱くなる
・非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)
薬物相互作用:併用によって胃潰瘍のリスクが高まる。
・プロベネシド
薬物相互作用:プロベネシドの効果が弱くなる
以下の場合は、疾患相互作用が出る場合があります。アスピリンを服用する前に、医者に相談しましょう。
・喘息がある
・16歳以下である場合
・鼻ポリープがある場合
・出血傾向がある場合
・胃潰瘍か十二指腸潰瘍である場合
・痛風である場合
・手術をする予定がある場合
過剰服用は死に至る可能性があります。用量用法は必ず守り、万が一過剰に服用してしまった場合は、すぐに病院へ行きましょう。
アスピリンは手軽に手に入る薬のため、頭痛などのような軽度から中程度の痛みに対しては、気軽に使ってしまう人も多いと思います。しかし、どんな薬にも共通しますが、アスピリンにも副作用があります。単体としての影響に留まる副作用だけではなく、薬同士や疾患との相互作用など、影響はさまざまです。
その影響度をよく理解したうえで服用し、用量用法は必ず守ってください。また、持病がある人は、アスピリンを服用する前に、必ず医師に確認しましょう。