イヤホンつけすぎは耳に毒! イヤホン難聴を予防する方法

2017/8/10

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

街中やスポーツクラブで、そして地下鉄で、音楽を聞いたり電話をしたりするために、イヤホンをしている人を多く見かけます。ただし、その音量や頻度によっては、イヤホン難聴になる可能性も。ここでは、あなたがそうならないためにできることを紹介します。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

ノイズキャンセリング機能付きではなく密閉型イヤホンを


携帯電話などに付属しているイヤホンは、静かな場所で使用する分には問題ないでしょう。しかし、にぎやかな場所で、雑音を消すために音量を上げすぎると、耳にダメージを与えてしまいます。

そこで、にぎやかな場所では付属のイヤホンではなく、「密閉型」の表示があるイヤホンを使ってみてください。「密閉型イヤホンによって高周波、低周波ともに必要な分だけを遮ることができるため、音量を抑えても音楽を楽しむことができます」とdirector of diagnostic audiology at Children’s Hospital BostonのBrian Fligorは言います。

ノイズキャンセリング機能付きヘッドホンは、あまり効果が期待できません。なぜなら、ほとんどのノイズキャンセリング機能付きヘッドホンは、飛行機の騒音など低周波の音しか消すことができないからです。
ここで注意があります。1日90分以上、最大音量の80%以上の音量でイヤホンやヘッドホンを使用しないようにしましょう。

耳を守るためにサプリを服用して効果があるの?


大きな音を聞くことで、耳の中の細胞(音波を脳で処理するための信号に変換する役割を果たしている小さな細胞です)が、ダメージを受けます。
たとえば、銃の発砲音にさらされるアメリカ海軍兵も同様です。そこで彼らを被験者にした実験が行なわれ、聴力の低下を防止するためには、ドラッグストアなどで入手できる「Nアセチルシステイン」という市販のサプリが、耳栓よりもはるかに効果が見られたという結果がでました。

研究の責任者physician of the Hough Ear Institute in Oklahoma CityのDr. Richard D. Kopkeは、ロックコンサートやモーターカーレースなど、とくに大きな音にさらされる12時間前に、これを1200㎎摂取することを推奨しています。

耳を休めましょう


子どもの泣き声やエアロビ教室、工事などで、絶えず大音量の騒音を聞かなければならないときには、数時間おきに静かな場所に避難するようにしましょう。

耳栓を持ち歩きましょう


音の大きさが85デシベルを超えると、聴覚へのダメージが発生します。子どもの泣き声(90デシベル)、芝刈り機(105デシベル)、コンサートやスポーツイベント(110デシベル)、最大音量でのカーステレオ(140デシベル)などの音がこれに相当します。
85デシベルを超える音に数分間以上さらされるときには、耳を守るために耳栓をしましょう。コンサートの際には、音質を変えずに音量だけを抑えてくれる耳栓を使うことをおすすめします。

耳鼻咽喉科に相談することを考えましょう


ロックコンサートやその他の騒音にさらされた後、24時間が経過しても、音のこもり、耳鳴り、耳の中での圧力などの問題がある場合には、聴覚テストを受けましょう。
耳鼻咽喉科に相談して、どんなダメージを受けているのかを調べ、今後、聴覚を守る方法を具体的に教えてもらいましょう。

おわりに:難聴予防に適切なイヤホンを選び、耳栓も併用しましょう

若者の間で深刻な聴力低下のリスクが高まっていますが、聴覚は日常生活において、非常に重要です。
にぎやかな場所で音楽を聴くときは、どうしても騒音に負けないように音量を上げることになります。密閉型の適切なイヤホンを選んでください。
さらに役立つのは耳栓です。音を遮断し、耳を音のダメージから回復、再生させる効果が期待できます。

自分の耳に長く健康で働いてもらうためにも、よくイヤホンを使う人は対策を講じましょう。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

予防(235) 難聴(52) イヤホン難聴(2) ヘッドホン難聴(2) 耳栓(2)