アスリートのための食生活~運動と食事~

2017/3/2

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

アスリートにかかわらず、だれでも健康で栄養バランスのよい食生活を送るのが理想です。ここでは、1日1回以上、何かしらの運動やトレーニングをしているアスリートのための食事について考えてみましょう。

運動量が多ければ食べる量を増やしてもいい?

毎日運動していれば、運動しないときよりも多くのエネルギーを消費します。現在適正体重を維持していて体脂肪を失いたくないときは、体重を維持するために食べる量を増やす必要があります。食べる量を増やすといっても「バランスの取れた食事」が必要でなければいけません。摂取カロリー量を増やし、運動に必要なエネルギーを摂取するために、米、パン、シリアル、パスタ、ジャガイモなどの炭水化物をたくさん食べてください。全粒粉のものを選び、ジャガイモを皮つきで食べてみてください。脂の乗った魚、ナッツ類などから必須脂肪酸を摂りましょう。また、筋肉の修復と構築に必要なタンパク質を多く含む肉や魚も食べる必要があります。

トレーニング中は炭水化物やタンパク質の多い食事がよい?

毎日定期的にトレーニングをしていれば、炭水化物とタンパク質がさらに必要になります。炭水化物は、運動するために必要なエネルギー源です。
ほとんどの人は、健康で多様な食事から十分なタンパク質を摂ることができます。肉、魚、卵、乳製品には良質なタンパク質が含まれます。米、パン、パスタ、ジャガイモ、穀物などの炭水化物は、筋肉にとって最も重要なエネルギーです。また、脳や中枢神経系にとっても不可欠なエネルギー源となります。
炭水化物は、筋肉や肝臓にグリコーゲンとして貯蔵されます。しかし体内に貯めておける量は少なく、定期的に摂取する必要があります。
アスリートは、筋肉の成長および修復のために、多くのタンパク質を一定の間隔で1日中必要とします。必要な炭水化物とタンパク質の比率は、スポーツによって異なります。トレーナーや栄養士などの専門家からのアドバイスをもらうのがよいでしょう。

トレーニング時間と食事時間をどのように計画する?

食事や軽食をとって運動を始めるまで1~4時間は空けましょう。空ける時間は、食べた量によってちがいますが、消化する時間が必要です。
通常の食事は、トレーニングの2~3時間前に済ませるようにしましょう。次にトレーニングを開始するまで1時間ほどしかないときは、低脂肪牛乳や全粒粉のサンドイッチなど、炭水化物が豊富で脂肪が少なく、中等度のタンパク質が豊富な軽食を心がけてください。タンパク質や脂肪が多すぎると、胃の中で消化が遅くなり不快感を感じます。
トレーニングから効果的に回復するためには、食べ物と飲み物は大切です。週の真ん中で、体力が落ちないように、また筋肉の成長と修復を助けるためにも不可欠です。
1日に複数回トレーニングを受けていて次のトレーニングまでの時間が8時間未満のときは、最初のトレーニングが終了してから30~60分以内に炭水化物やタンパク質が豊富な食べ物や飲み物を摂取するようにしましょう。これよりも少ないトレーニングや、回復時間が長いときは、トレーニング後になるべく早く食べてください。

おわりに

運動選手、スポーツマンといったアスリートにとっての食事は、筋肉量を増やし、身体能力を上げるために大事です。よい食生活は、健康状態を維持するだけでなく運動からよい結果を得るための手助けになります。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

食事(225) 運動(176) トレーニング(14) アスリート(2) 炭水化物(34) 必須脂肪酸(1) 筋肉量(3)