記事監修医師
日本赤十字社医療センター、歯科・口腔外科
川俣 綾 先生
2018/1/29
記事監修医師
日本赤十字社医療センター、歯科・口腔外科
川俣 綾 先生
歯周病は痛みなど自覚症状がないまま進行してしまうことがあります。歯周病は歯を失う原因にもなり得る怖い病気です。ここでは歯周病を予防する方法をお伝えします。
歯科検診では、以下のようなことを歯科医はチェックします。
・歯茎の出血、腫れ、硬さ
・歯周ポケットの深さ
・歯のぐらつきや知覚過敏、歯並びなど
・顎骨の状態
歯周病の治療の目標は、健康な歯肉を歯に再付着させることです。また、腫れや深くなった歯周ポケットを回復させ、感染のリスクを減らし、歯周病の進行を食い止めます。
治療の方法は歯周病の進行具合に変わってきますが、基本となるのはプラーク(歯垢)の除去、スケーリング、ルートプレーニングです。
症状が重くなった場合は、接着剤で歯のぐらつきを止めたり、ポケットの深さを少なくする手術が行われます。また、必要に応じて骨の再生手術が行われることもあります。
歯周病は、毎日の歯磨きで丁寧に歯垢(プラーク)を取り除いていくことで予防が可能です。また、セルフケアで取りきれない汚れは歯科医のデンタルクリーニングで定期的に落とすようにしましょう。歯磨きのときには。デンタルフロスで歯と歯の間や歯肉線の下の歯垢を取り除くことも大切です。その他、洗口液で原因菌を減らすことも歯周病予防に役立つこともあります。
さらに、下記のことにも気をつかうようにしてください。
喫煙は歯肉炎発症のリスク要因のひとつです。また、喫煙によって歯周病の治療効果を妨げてしまうこともあります。
ストレスで免疫系の働きが乱れると、歯周病菌が増えてしまう原因なります。
栄養バランスの優れた食事を摂ることは、免疫の働きの正常化に役立ちます。ビタミンE(ベジタブルオイル、ナッツ、葉物野菜など)、ビタミンC(柑橘フルーツ、ブロッコリー、じゃがいもなど)など、抗酸化物質を含んだ食べ物を摂るようにしましょう。
歯ぎしりをすると、歯の支持組織に余分な圧力がかかり、支持組織が破壊される度合いを進めてしまします。歯ぎしりをしないようにセルフケアし、自分でケアしても改善しない場合は歯科口腔外科に相談しましょう。
歯周病の予防には、毎日のケアが一番重要です。しかし、歯周病は知らずに進行してしまうこともあるため、歯や歯肉などのお口の健康状態を歯科医で定期的にチェックしてもらうようにしましょう。