ダイエットしても体重が落ちない!?-隠れた原因について

2017/8/8

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

「ダイエットしているのになぜか痩せない!」
こんな悩みを抱え、様々なダイエット法を試している方も多いはず…
でも、本当にダイエットをしているのに体重が落ちない場合、その原因はダイエット法ではなく別のことかもしれません。
今回の記事では、考えられ得る体重が落ちない隠れた原因について解説します。
ダイエットしても体重が落ちなくて悩んでいる方、是非目を通してみて下さい。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

体重が落ちない原因

ダイエット法以外にも、考えられる体重が落ちない原因は様々あります。下記を参照して下さい。

睡眠不足

睡眠不足は体重増加の大きな原因の1つになり得ます。まず、睡眠不足の人は日中に必要以上に食べてしまう傾向があります。実際に研究により、6時間未満の睡眠しか取らない人は、特に高炭水化物食や高カロリー食への食欲を刺激するホルモンであるグレリンの濃度が高いことが分かっています。また、夜遅くまで起きている場合、遅い時間に間食を摂る可能性が高くなりますが、そのような時間の間食は体重増加の原因となります。さらに、睡眠が減ると、体重増加につながるストレスホルモンの濃度も上昇しやすくなります。

ストレス

ストレスを感じるとコルチゾルというストレスホルモンが分泌され、このホルモンの作用により食欲が高まりやすくなります。

体重増加の原因となる薬

いくつかの処方薬は体重増加の原因になっている可能性があります。具体的には以下の薬です。

副腎皮質ステロイド

プレドニゾロンのような副腎皮質ステロイド薬は、体重増加の原因となる可能性があります。体液貯留と副作用による食欲の増加が主な理由です。ステロイドが原因だと思われる場合は、すぐに摂取をやめるのではなく、まず最初に医者に相談して下さい。

向精神薬

具体的には、統合失調症や双極性障害、うつ病などの治療に使用されるものです。このような精神疾患に対する薬の治療を始めた後に体重増加を経験する方は多いようですが、これは治療により気分が向上し食欲が高まるためだと考えられます。精神疾患治療薬が体重増加を引き起こしているかもしれないと思った場合は、すぐに薬の摂取をやめるのではなく、まず医者に相談しましょう。

糖尿病治療薬の一部(体重が減少する作用のある薬剤もあります)

ピル

ピル(エストロゲンおよびプロゲスチンの併用避妊薬)を服用している女性の中には、体重増加を経験する人もいるようです。ピルによる体重増加は通常短期間で、持続的な体重増加を引き起こすことは科学的には証明されていませんが、ピルによる体重増加が懸念される場合は医師に相談して下さい。

閉経

閉経期に体重増加を経験する女性も多いようですが、単に老化による代謝の低下や運動不足などが原因の場合もあります。閉経が関係している場合、脂肪はお尻や太ももよりも腰の周りにつきいやすくなることが多いです。

甲状腺機能低下症

甲状腺が十分な甲状腺ホルモンを分泌できていない場合、代謝が低くなるため体重が増加しやすくなる場合があります。甲状腺機能低下症は薬により治療することができます。

多発性嚢胞卵巣症候群(PCOS)

多発性嚢胞卵巣症候群は、出産年齢の女性に起こり得るホルモン問題が原因の症状です。 卵巣に多くの小さな嚢胞ができ、月経周期に影響を与えるホルモンバランスの乱れやニキビなどの原因になる可能性があります。多発性嚢胞卵巣症候群になると、血糖をコントロールするホルモンであるインスリンに耐性ができる(インスリン抵抗性)ため体重増加が引き起こされる可能性があります。

おわりに:

このように、ダイエットをしているのに体重が減らないと考え得る理由は様々あります。
睡眠不足やストレスなどは生活習慣の改善などで解決できるかもしれませんが、その他の項目で気になることがあれば医者の診察を受けることをお勧めします。

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