生理痛で眠れないとき、どんな対策をすればいい?

2017/8/14 記事改定日: 2019/10/28
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

生理痛に悩まされている女性は多く、なかには眠れないくらい痛みがひどくなることもあります。
この記事では、ツライ生理痛の原因や対処法を解説していきます。眠れないほどひどい生理痛の原因や対処法についても説明していくので、参考にしてください。

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生理痛がひどくなる原因は?

生理痛が重くなる主な原因とされているのは、プロスタグランジンという生理活性物質です。
プロスタグランジンには子宮を収縮させる作用があり、生理時の出血の軽減に役立っていると考えられています。
ただ、プロスタグランジンの分泌が過剰になると子宮が必要以上に収縮することになり、痛みが悪化することがあります。

このような仕組みは生理現象のため、ある程度は仕方がないのかもしれません。
しかし、学校生活や仕事、睡眠や日常生活に支障が出るほどの痛みが出てしまう場合は、子宮内膜症などの病気の可能性があります。

病院へ行くべき生理痛の特徴

生理痛はありふれた症状であるため、軽く考えられがちです。しかし、なかには子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が背景にある場合もあるため注意が必要な症状の一つでもあります。

次のような生理痛がある場合はできるだけ早く病院で相談するようにしましょう。

  • 立っていられないような非常に強い痛みがある
  • 出血量が多い
  • 生理中以外にも下腹部の痛みがある
  • 性交時や排便時に痛みが強くなる
  • おりものの色や匂いに変化がある
  • 生理不順である

眠れないほどの生理痛は、日常生活でどう対策すればいい?

生理痛は、体の冷えや血行不良などでも悪化します。もし痛みが強く眠れないというときには、カイロを貼る、湯たんぽをあてるなどしてお腹を温めてみましょう。

また、血の巡りを良くするためには運動が有効です。
入浴後にストレッチをする、帰宅ついでにウォーキングをするなど、生理が始まるおよそ一週間前から全身を動かして血行促進を心がけることで改善することもあります。

ただし、眠れないほどの痛みが出るときは病気などの原因が隠れていることがありますので、一度は病院で診てもらいましょう。

食事での対策

生理痛の食事面での対策としては

  • カフェインを摂り過ぎない
  • 体を温める作用があるものを食べる

などに気をつけましょう。
生理期間中は、スープ、うどん、おかゆなどの消化が良く温かいものを食べて冷えを防ぐようにしてください。

冷たい飲み物は避け、できるだけ温かい飲み物を飲むようにしてほしいのですが、コーヒーなどのカフェイン飲料は、ホットでも体を冷やしたり興奮作用によって眠りにくくなってしまうため、生理中はなるべく避けましょう。

できれば、ハーブティーや白湯、温かいココアや豆乳などを飲むことをおすすめします。

寝るときの生理痛におすすめの薬は?

寝るときに生理痛がひどくなるという人は就寝前に痛み止めの薬を服用するのがおすすめです。しかし、生理痛に対する痛み止めの多くは胃の粘膜にダメージを与える可能性があるもののため、胃に食べ物が入っていない状態の夜間に服用すると胃痛を引き起こすことがあります。

市販薬を使用するときは、胃にやさしいタイプのものを選ぶようにしましょう。具体的には次のものがおすすめです。

  • ルミフェン®
  • タイレノールA®
  • イブ®

また、効果に個人差はありますが、桂枝茯苓丸、桃核承気湯、当帰芍薬散などの漢方薬も生理痛を緩和する効果が期待できます。
就寝時に使っても副作用の心配がほとんどありませんので試してみてもいいでしょう。

おわりに:セルフケアで改善しない、痛みがひどい生理痛は必ず病院で診てもらおう

ほとんどの女性が生理痛に関する悩みを何かしら抱えているといわれています。多くはセルフケアや薬で対処できますが、生理の度に夜も眠れないほどの痛みがある場合は、婦人科疾患や他の病気が隠れている可能性もあります。
痛みがひどい場合は、我慢せずに婦人科で医師の診断を受けましょう。

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