高齢者の予防接種~肺炎球菌ワクチン~

2017/3/6

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

厚生労働省は、65歳以上の高齢者の多くが肺炎やその他の合併症を発症する可能性がより高く死亡率も高いことから、平成26年10月1日、高齢者を対象とした肺炎球菌ワクチンを接種費用の一部を公費負担とする定期接種としました。

肺炎球菌感染症とは?

肺炎球菌という細菌によって引き起こされる感染症です。肺炎球菌は、主に気道の分泌物に含まれ、唾液などを通じて飛沫感染します。高齢者の約3~5%では、鼻や喉の奥に菌が常在しているとされています。これらの菌が何らかのきっかけで進展し、気管支炎、肺炎、敗血症などの重い合併症を起こすことがあります。肺炎を起こす病原菌の中でも特に病原性が強いものです。肺炎の約半数は肺炎球菌によるものとされています。

定期接種で使用されるワクチンとその効果

定期接種で使用されるワクチンは、ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)で、1回接種すると5年間は効果があるとされています。

接種対象者

接種対象者は、指定された該当年度に65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳になる人と、60~65歳未満で心臓、腎臓、呼吸器の機能に日常生活活動が極度に制限される程度の障害がある人や、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)によって日常生活がほとんど不可能な程度の障害がある人が定期接種の対象となります。ただし、すでにニューモバックスNPを接種したことがある人は対象とはなりません。

平成30年度までの定期接種対象者

平成30年度までの接種に該当する年齢については、厚生労働省のウエブページもしくは医師にご相談ください。

副作用はありますか?

ワクチン接種後に、以下の症状がみられることがあります。気になる症状や体調の変化があらわれたときは、すぐに医師にご相談ください。
・接種部位の症状(痛み、赤み、腫れなど)
・筋肉痛
・だるさ
・発熱
・頭痛
参考:厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000121144.pdf

おわりに

肺炎で死亡する人の95%が65歳以上の高齢者が占めています。肺炎球菌は、元気な人でもかかる重篤な感染症です。

65歳になったら、忘れずに肺炎球菌の予防接種を受けましょう!

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