記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/2/1 記事改定日: 2020/4/8
記事改定回数:2回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
記事監修医師
東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック
二宮 英樹 先生
PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状として有名なものは悪夢やフラッシュバックですが、実際にどのような変化が出るかご存知でしょうか。
この記事では、PTSDの症状の特徴について解説していきます。ご自身だけでなく家族やパートナー、子どもを守るヒントになるかもしれませんので、ぜひ参考にしてください。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)はトラウマとなる出来事の後に発症します。原因となる出来事から数週間以上経ってから発症することが多く、数か月~数年かかることもあります。
PTSDの症状には個人差がありますすが、一般的には以下の3つに分類され、合併症を伴うことも多いです。
再体験症状は、トラウマ体験と呼ばれるPTSDの典型的な症状であり、以下のような形でトラウマ体験を再生します。
PTSDの人のなかには、自分の経験について絶え間なく否定的な考えをもち、トラウマを受け入れないようなことを繰り返し自問している人もいます。たとえば、なぜそれが起こったのか、それを止めるために何かできることがなかったのかと考え、罪悪感や恥などを感じることがあります。
感情を遮断して無感情になるなど、感情的に麻痺した状態になることで、トラウマを思い起こさせないようにしようとする症状です。これは、トラウマを思い起こさせる特定の人や場所を避けること、自分の経験についてだれかに話したくないことを意味します。
ほとんどのPTSD患者は、頭の中からその出来事の記憶を失くそうとして、仕事や趣味ができなくなります。
また、無感情になることで自分の感情に対処しようとします。これは「感情的麻痺」と呼ばれます。感情的麻痺は、孤立や引きこもりにつながり、以前は楽しんでいた好きな趣味や活動もあきらめてしまいます。
PTSDの人は大きな不安感を感じています。リラックスすることが難しく、常に神経がはりつめている状態のため、以下のような状態になります。
PTSDの人の多くは、合併症として以下のような心理的、身体的症状がみられます。
これらの症状は、自分自身だけでなく周囲の人も苦しめることになるでしょう。PTSDが原因で、仕事や学校での人間関係、家族やパートナとの関係に支障が出ることも少なくありません。
PTSDは大人だけではなく子供にも影響を及ぼします。子供のPTSDも大人と同じようにい、睡眠不調や悪夢、以前楽しんでいた活動に興味を失い、頭痛や腹痛などの身体的症状が現れます。
また、子供のPTSD特有の症状して、以下が挙げられます。
PTSDの症状の現れ方は人によって大きく異なり、なかには思い当たる原因がないにも関わらず発症しているケースもあります。次のような変化が目立つ場合には放置せずに早めに病院を受診しましょう。
もし周囲にこれらの症状が見られる人がいる場合は、トラウマの原因となる出来事などについて深く追求せずに悩み事などを聞き、病院への受診を促しましょう。
PTSDは、震災などの自然災害、火事、事故、暴力や犯罪被害など大きな出来事だけでなく、他人にとってはそこまで気にするものではないと考えられることが原因になることもあります。
子供やパートナー、親しい友人にPTSDかもしれないという変化があるときは、専門医に相談しましょう。とくに長く続いているときは早めに受診してください。