記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/21
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
右や左など、頭の片側で頭痛が起きた場合、原因としては何が考えられるのでしょうか。また、頭痛の場所が移動していく場合の原因は何なのでしょうか。それぞれ解説していきます。
右や左など頭の片側だけで頭痛が発生している場合、原因としては以下が考えられます。
月に数回の頻度で、額や側頭部の片側が脈打つようにズキズキと痛むのが特徴です。どちらかというと女性に多いタイプの頭痛で、生理(医学的には月経というのが一般的です)によるホルモンバランスの乱れが原因で引き起こされることがあります。
ただ、片頭痛でも頭の両側で頭痛が起きるケースもあるので、安易に自己判断しないようにしましょう。
右や左の頭の片側で、耐えられないほどの激しい頭痛が起こった場合は、群発頭痛の可能性があります。群発頭痛の場合、頭痛が起きたのと同じ側の目の奥で、えぐられるような痛みを感じ、そういった痛みの発作が1ヶ月程度毎日続きます。そして数ヶ月発作が起きない期間があった後に、発作が再発するようになります。
群発頭痛は男性に多いタイプの頭痛で、疲労やストレス、飲酒や喫煙などをきっかけに引き起こされると考えられています。
左右どちらかの首から後頭部や頭頂部にかけて、痺れるような頭痛を感じる場合は後頭神経痛の可能性があります。後頭神経痛はデスクワークの人に多く見られるもので、長時間同じ姿勢を続けたことによって筋肉が凝ってしまい、後頭部の神経が圧迫されたことで起こるといわれています。
脳出血や脳梗塞などによって、右脳か左脳の血管が破裂して出血を起こしたりした場合、頭の片側で殴られるような激しい頭痛に見舞われることがあります。こうした脳の病気による頭痛の場合は、意識障害や吐き気、ろれつが回らない、痙攣といった症状も見られるので、該当する症状があればすぐに病院へ行きましょう。
頭痛の場所が日によって移動する場合は、「大後頭神経痛」の可能性があります。
大後頭神経とは、左耳や右耳の後ろ側あたりから上下に伸びている神経のことで、大後頭神経痛の場合は後頭部から頭頂部へ、頭頂部から頭の前の方へと縦方向へ痛みが移動するのが特徴です。この大後頭神経痛と三叉神経はつながっているため、頭痛と同時に、三叉神経の近くにある目の奥でも痛みを感じることがあります。
長時間のPC業務などで、肩の右側か左側が前方に傾くような姿勢を毎日続けていると、前方に向いている側の大後頭神経が頭蓋骨と頸椎に挟まれ、逆側の大後頭神経が引っ張られることで神経が刺激され、痛みを生じるようになります。また他にも、ストレスや天候などの影響で起こることもあるようです。
片頭痛は有名な頭痛の一種ですが、大後頭神経痛などは初めて聞いたという方も多いのではないでしょうか。頭痛の場所によって可能性の高い原因は異なりますが、中には脳の病気のサインだったケースもあるので、異常に激しい頭痛があったり、頭痛が続いたりしている場合は、一度頭痛外来を受診するようにしましょう。