生理前になると便秘になりがち・・・。原因と対処法を知りたい!

2017/8/28

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

多くの女性が悩まされている生理前の便秘。 
通常よりも頑固なため解消が難しいイメージがあるかもしれませんが、対処方法はいくつかあります。
この記事で、生理前の便秘の原因と対処法について見ていきましょう。

生理が近づくと便秘になりやすいのはなぜ?

生理前の便秘は「黄体ホルモン」と呼ばれる女性ホルモンが増えすぎることが原因です。
女性の生理には卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2種類の女性ホルモンが関係しています。

黄体ホルモンは排卵後から生理前にかけて分泌され、量が増えると腸の働きを弱めてしまいます。
加えて腸内の水分も吸収されやすくなってしまうため、生理前になると便秘が起こりやすくなるのです。

生理前の便秘の特徴

生理中の便秘で見られる代表的な症状は以下の通りです。
・腸内にガスがたまってお腹が張る
・残便感がある
・排泄が滞るために起こる肌荒れ

また、生理前の便秘は便が硬くなる傾向があります。
これは、黄体ホルモンの影響で腸の働きが抑えられて腸内に便が長く留まりすぎ、便内の水分が必要以上に奪われてしまうからです。

硬い便は排便が難しくなるので、便秘の症状がさらに悪化する可能性もあります。

生理前の便秘にどう対処すればいい?

生理前の頑固な便秘に対処するには以下の4点を守りましょう。
以下に示す方法は、生理前以外の便秘の解消にも役立ちます。

水分を多めに摂る

腸内に水分が行き渡るよう、意識して普段よりも水分を多めに補給しましょう。
水分はまとめて飲むのではなく、こまめに補給するようにしてください。
夏は汗などで水分が放出されやすいので1日2リットル以上、冬は1日1.5リットル以上の水分を摂ることが理想的です。

食物繊維を摂取する

食物繊維はスポンジのように腸内の水分を吸収してくれるため、便を適度な柔らかさに保って排便をしやすくする働きがあります。
また、整腸作用があるので腸内環境を整える効果も高いです。

食物繊維は野菜、果物、豆類などからはもちろん、サプリメントなどを利用して摂取することができます。
便秘にお悩みの場合は、是非普段から積極的に食事に取り入れてください。

腸内の善玉菌を増やす

腸内環境を整えるには悪玉菌を減らして善玉菌を増やすことが重要です。
悪玉菌が増えやすい脂肪分の豊富な食べ物は避け、善玉菌が豊富なオリゴ糖を含んだ食品やヨーグルトなどを食べましょう。
また、善玉菌を含んだサプリメントを利用するのもおすすめです。

適度な運動を取り入れる

ウォーキングやジョギングなどの運動もまた便秘の解消に効果的です。
運動をすると食べ物が大腸を通過する時間が短くなり、便から身体に吸収される水分量が制限されるます。そのために便が適度に水分を含み、排出がしやすくなって便秘が解消されます。

また、有酸素運動は呼吸頻度と心拍数を上げます。
それによって腸の筋肉収縮が促進されるので、便が腸内をスムーズに移動できるようになります。

ただし生理前や生理中の運動は無理のない範囲で行ってください。

おわりに:生活リズムを整えて、便秘になりにくい体に変えていこう

便秘の解消にはその時々での対処も大切ですが、最も効果があるのは便秘そのものを防ぐことです。
日々の生活に便秘の解消に良い食事や運動などを取り入れて、便秘になりにくい体質を目指しましょう。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

生理前(9) 便秘(133) 水分(17) 黄体ホルモン(3)