記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
2017/2/28
記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
眼病や目のケガ、視力低下などは、生活習慣や日常生活の中で引き起こされることがあります。
今回は、そんな目のトラブルを防ぐために気をつけるべきポイントをまとめました。
眼病を予防するには、日常的にどんなことを心がけたらいいのでしょうか。
喫煙者は、非喫煙者と比較して「加齢性黄斑変性症(かれいせいおうはんへんせいしょう)」や「白内障」の発症リスクがはるかに高いといわれています。タバコを吸っている人は禁煙しましょう。
「運動が目に良い」なんて初耳かもしれませんが、運動は高血圧、糖尿病、動脈狭窄・硬化などの予防に効果的なため、結果として失明のリスクを減らすという研究結果が出ています。
さまざまな果物や野菜を含んだ健康でバランスのとれた食事は、網膜を健康に保つ効果があります。
お酒を飲みすぎると、「加齢性黄斑変性症」のリスクが高くなる傾向にあります。
飲酒の際は、以下の点に気をつけてください。
・週に缶ビールを8本以上飲まない
・1週間に缶ビールを7本飲む場合、1日で飲まず、3日以上に分散して飲む
・週に何日かお酒を飲まない日(休肝日)を設ける
以下のような状況では、眼病になるリスクが高くなります。
日食などの珍しい現象が起きても、太陽を直接見ることは絶対に避けてください。太陽を直接見てしまうと「日光網膜症」になり、視力低下や失明を招くことがあります。また、直射日光は「白内障」を引き起こす危険性もあります。
目を保護するため、つばの広い帽子やサングラスの着用を心がけましょう。
実は、庭での目のケガは非常によくあることです。柵で目を傷つけ、角膜に重度の損傷を負った人もいます。柵以外にも、以下のものには注意が必要です。
・目の高さにある枝
・土の細かい粒子
・池の水
水や土には、角膜潰瘍の原因となるアカントアメーバがいる可能性があります。
なお、庭仕事の際には、サングラスなどの眼鏡で目を保護することが大切です。
除草剤や漂白剤などの薬品がはねて、目を火傷することがあります。
もし目に入ってしまった場合、冷たい水道水や洗眼剤、コンタクトの洗浄液などで、できるだけ早く目を洗ってください。
DIYの事故がきっかけで、目をケガすることがあります。
特に角を削る作業では、金属の粒子が目に入って「眼球鉄錆症(がんきゅうてつさびしょう)」になり、視力に関わることがあります。
作業時は、耐衝撃性とフィット感のある作業用の眼鏡を着用してください。
PCを長時間使用すると、目の不快感、かゆみ、疲れ、頭痛などが起きることがあります。作業する場合は意識的に目を休め、定期的に遠くを見てください。
いかがでしょうか。眼病のリスクは、意外に身近なところにも存在しています。今一度、自分の生活習慣や身の回りをチェックするのもいいかもしれません。