記事監修医師
東京都内大学病院眼科勤務医
渡辺 先生
2017/9/5
記事監修医師
東京都内大学病院眼科勤務医
渡辺 先生
スマホを使用しているときや長時間のデスクワーク、久々の読書の際にまぶたがピクピクしたことがあるという人は多いのではないでしょうか?ただ単なる目の疲れなのか、それとも治療が必要な病気のサインなのか…。この記事では、まぶたの痙攣の原因や対処法について解説します。
まぶたの痙攣を訴える場合のほとんどが「眼瞼ミオキミア」と呼ばれる状態であり、怖い病気に発展することはほぼありません。これは、無意識のうちに片方の上まぶた・下まぶたのどちらかのみがピクピクと痙攣するものであり、一度の痙攣は1~2分程度の一時的なものです。
基本的に、片方のまぶた以外に異常は起こらず、もう片方のまぶたにうつることはありません。一日のうちに何度も繰り返しますが、症状は自然と治まっていきます。また、眼瞼ミオキミアは、まぶたがピクピクするという症状の他に不快な症状がでることもありません。
一番多いとされる原因が疲れです。
大抵がパソコンやスマホによるテクノストレスが原因です。目の周りにある眼輪筋が疲労し、筋内の代謝に乱れが生じ、収縮を繰り返すことで痙攣が起こります。その他の原因には、睡眠不足からくる体の疲れや、心の疲れ、ストレスなどが挙げられます。
また、目を酷使していないのに痙攣が起こる場合は、栄養不足が原因になっていることもあるでしょう。目に必要とされる栄養素をバランスよくとらないと、目が疲れやすく、疲れも取れにくくなり、その結果、目が元気に働かなくなってしまいます。
眼瞼ミオキミアの一番の解決法は、目の疲れを癒してあげることです。痙攣が始まったら、まずは目を閉じて、2~3分の休憩を取りましょう。蒸しタオルで目の周りを温めるのも、血行促進を効果が期待できるのでおすすめです。
目の疲れだけでなく、体と心の疲れをとることも大切です。入浴と睡眠の時間をしっかりとることは、心身の疲れの回復に役立つでしょう。なるべく湯船にお湯をはって浸かるようにし、良質な睡眠を十分にとれるように心がけてください。
また、いつも忙しくゆっくり休む暇がないという人は、目の回復に効果が期待できる栄養を積極的に摂るようにしてみてはいかがでしょうか。
ビタミンB1、B2、ビタミンA、アントシアニンなどが特におすすめです。これらは豚肉や牛乳、レバー、ブルーベリーに豊富に含まれているので、普段の食事にとり入れるようにしてください。ちなみに、目の疲れを感じたときは、コーヒーを控えたほうがいいといわれています。コーヒーに含まれるカフェインには血管を収縮させる作用があるので、目の回復を妨げる可能性があるためです。
眼瞼ミオキミアと似た症状が前兆として現れる病気に、眼瞼痙攣と顔面痙攣があります。
眼瞼痙攣の初期症状は「まぶたのピクピク」や「目の渇き」、「まぶしく感じる」といった眼瞼ミオキミアと酷似した症状が現れますが、この症状が長引き進行してくると、「まぶたが重くなる」さらには「目を開けづらくなる」といった症状に発展することがあります。この症状は、まばたきのスイッチが故障してしまったような状態であり、脳の神経回路に問題が起こることで発症します。
また、片方の目の周りの痙攣と共に頬の痙攣がみられる場合は、顔面痙攣が疑われます。これらはドライアイと勘違いされて、放置されがちな病気なので注意が必要です。
いずれにせよ、まぶたの痙攣が1週間を超えて続く場合は眼科を受診し、正確な診断、適切な治療を受けましょう。