記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/23
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
かゆみを伴う赤い発疹がたくさん現れる「水疱瘡」は、掻くと跡になってしまうこともある厄介な感染症で、日本では子供への予防接種が推奨されています。この記事では、そんな水疱瘡の予防接種についての全般的な情報をお伝えしていきます。
水疱瘡は子供がかかることの多い感染症の一種です。多くの場合は軽度の症状で済みますが、一部重症化すると、熱性痙攣、肺炎、気管支炎など注意すべき合併症を引き起こすケースがあることから、予防接種を受けることが望ましいとされています。また、飛沫や接触、空気によって他者へ感染が広がっていく感染力の強さも予防接種をすべき理由のひとつです。
水疱瘡の予防接種(以下、水痘ワクチン)は、1回の接種により重症の水疱瘡をほぼ100%予防でき、2回の接種により軽症の水疱瘡も含めて発症を予防できると考えられています。
水痘ワクチンの定期接種は、生後12~36ヵ月まで(1歳の誕生日の前日~3歳の誕生日の前日まで)の子供が対象です。2回の接種を行うこととなっており、1回目の接種は一般的に生後12~15ヵ月までの間に、2回目の接種は1回目の接種から3ヵ月以上間隔を空けてから(一般的には1回目の接種後6~12ヵ月の時期に)行うこととなっています。
過去に水疱瘡にかかったことのある方は、すでに水疱瘡への免疫ができていると考えられるため、基本的には水痘ワクチンを接種する必要はありませんが、水疱瘡にかかったことのない方は接種が推奨されます。大人が水疱瘡を発症した場合、子供と比べ重症化するリスクが高いためです。特に免疫不全の病気(HIVなど)を抱えている方や妊婦さんは、水疱瘡感染時の合併症リスクが高いとされています。
水痘ワクチンによる副作用としては、以下のものが挙げられます(いずれも一過性のものです)。
・発疹やじんましん
・皮膚の赤み
・かゆみ
・発熱
なお、まれに報告される重い副反応としては、アナフィラキシー様症状、急性血小板減少性紫斑病などがあります。
水疱瘡は空気で感染するほど強い感染力を持っていますが、水痘ワクチンを定期接種することによって、感染リスクをほぼゼロにすることができます。予防接種がまだの方は、ぜひお近くの病院にお問い合わせください。
【出典: 厚生労働省ホームページを編集して作成 http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/varicella/index.html】