記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/18
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
水疱瘡にかかったとき、医師からお風呂に入ることは避けるよう指示されます。その理由はなぜでしょうか? 今回の記事では、水疱瘡にかかった場合のお風呂やシャワーについて説明します。
水疱瘡でお風呂に入ってはいけない理由を以下に説明します。
水疱瘡は感染力の高い病気です。お風呂に入ることで、お湯から家族に感染する危険性があります。ただし、一度水疱瘡に感染している人は通常二度目の感染はありません。
水疱瘡は痒みを伴う症状があります。お風呂に入ることでその痒みを増し、掻きむしってしまうことがあります。水疱瘡を掻きむしってしまと、そこから細菌が侵入することもあり、重症化する可能性があります。また治癒後、水疱瘡の痕が残ってしまう可能性があります。
もし熱がある場合は、お風呂だけでなくシャワーも避けましょう。熱が下がれば、シャワーで軽く汗を流すぐらいであれば問題ありません。シャワーで清潔にすることで、痒みが抑えられますし、化膿の防止にも期待できます。シャワーの後に体を拭く際は、水ぶくれをつぶさないように注意しましょう。濡れたタオルをしっかり絞り、やさしく押さえるように水気を取ってください。
汗をかいた場合など、体を清潔にしたいときには、蒸しタオルや温かいタオルで押さえるように汗を拭いましょう。力を入れず、やさしくすることがポイントです。また、部分的にシャワーのお湯を当て、汗を流す程度であれば大丈夫です。そのときは、熱いお湯は避け、ぬるめの温度設定にしましょう。
お風呂に入っていいタイミングは、全ての水疱がかさぶた(痂皮:かひ)になったときです。水疱瘡は、10日程度の潜伏期間の後、発熱や発疹の症状があらわれます。発症してから1週間ほどでかさぶたになります。つまり、発症してからおよそ1週間ほどでお風呂に入れるようになるということです。もし、お風呂に入るタイミングが心配であれば、医師に相談しましょう。
お風呂に入る際は、かさぶたをはがさないよう慎重に、ゆっくりと入浴するようにしましょう。まだ体や頭を洗うことは避け、ぬるめのお湯に浸かり、体をあたためる程度にしましょう。体を洗ってもいいタイミングは、かさぶたが茶色くなってきたときです。まだゴシゴシ擦ることは避け、たっぷりの泡でやさしく洗うようにしてください。
水疱瘡にかかると肌の状態が不安定になるため、お風呂は避けましょう。家族が同じお風呂につかる場合、入浴が原因で家族も感染する恐れがあります。熱がない場合は、軽くシャワーで汗を流すなどに留めておいてください。全ての水疱がかさぶたになったときがお風呂に入ってもいいタイミングになりますが、できれば医師に相談することをおすすめします。