記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/23
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
睡眠不足でもないし、食欲もありたくさん食べているのに、なぜか疲れがとれないことってありませんか?
それって、肝臓の仕業かもしれません。この記事では、肝臓の働きについてまとめました。
肝臓は右のお腹の上側のほとんどを占める、体内で最大の臓器です。肝臓は、食べたり飲んだりして取り入れた成分をエネルギーとして利用するため代謝したり、有害な物質や老廃物を無毒化するために解毒する働きを持っています。また、消化吸収を助ける胆汁を作りだす働きもあります。
このように、肝臓は人間の代謝機能に深く複雑に関わっています。
予備能力や再生能力が高く、正常な肝臓の6/7を切除しても、通常の機能が保たれることもわかっています。つまり肝臓の病気の自覚症状が出ているときは、かなり病気が進行しているといえるのです。
肝臓は、先ほど見てきたように、重要な働きをしています。そのため、ひとたび機能が低下すると、体に様々な症状が現れるようになります。
では、肝臓の機能が低下すると、どうして疲労が現れるのでしょうか。
肝臓の解毒機能が低下すると、老廃物や毒素はそのまま体内に残ってしまい体に悪影響を及ぼすことがあります。
そのほかに、肝臓機能の低下で起こる症状を挙げておきます。
・お酒をおいしく感じなくなった
・食欲低下(特に脂っこいものを欲しなくなった)
・足がむくむ
・お腹が張る
肝機能低下の原因としてよく挙げられるものは、アルコールの飲み過ぎです。これが、肝機能を低下させるいちばんの原因と考えられています。飲酒量が多く、期間が長いほど肝臓への負担が高まるので、昔から飲酒の習慣があるという人は注意が必要です。
また、高血圧が直接肝機能を著しく低下させるわけではありませんが、高血圧の人は高血糖や脂肪肝を患っている人が多いので、高血圧を伴う病気が肝臓に負担をかけてしまう可能性があります。血圧が高めの人は注意しましょう。
肝機能の低下を改善・対処するためにできることを挙げておきます。
バランスの良い食生活は、肝臓をいたわるために不可欠です。1日3食、腹八分目程度の食事量を規則正しく食べましょう。
細胞の再生に必要な、良質なタンパク質を摂取しましょう。必須アミノ酸をたくさん含む肉・魚・大豆製品・卵を中心に、主食・主菜・副菜のバランスを考えた食事をすることです。塩分・カロリーの摂りすぎは、肝臓に負荷をかけてしまいます。
ストレスによる自律神経の乱れが肝臓に負荷をかけます。ストレス解消のために時間を使いましょう。
風邪をひくと、一時的に肝機能は低下することがあります。十分な手洗いとうがいを行いましょう。
アルコールの飲みすぎは肝臓機能を低下させ、脂肪肝の原因となります。脂肪肝のまま飲酒を続ければ、アルコール性肝炎や肝硬変にまで進行する可能性もあるのです。疲労を溜めないためにも、病気を予防するためにも、飲酒は適量を心がけ、休肝日を作るようにしましょう。
【出典:厚生労働省ホームページを編集して作成 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-01-002.html】
肝臓を労わるためには、生活習慣の見直しが大切です。飲酒を控え、バランスの良い食事と運動、睡眠時間の確保を行います。それでも疲れが取れないときは、内科や消化器内科を受診し、体のどこかに問題が起こっていないか確認することをおすすめします。