記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/23
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
口内炎の原因としてもっとも考えられるものといえば、疲れやストレスによる胃腸の不調や栄養不足などでしょう。しかし、親知らずも口内炎の原因となることをご存じでしたか? ここではそのメカニズムや、予防法などを解説します。
真ん中の前歯から8番目の歯で、左右上下に1本ずつ、計4本存在する親知らず。他の歯よりも遅く生えてくるのが特徴で、だいたい17歳から21歳ぐらいの間に生えることが多いですが、すべて生えないこともあります。
そして、ご存じのように親知らずは真っ直ぐ生えてくるとは限りません。斜め向きであったり、横の歯を押すように生えてくることがよくあります。
この状態が口腔内の環境にとってとても悪いのです。口内の粘膜にぶつかるため、その部分に傷ができ、ばい菌が繁殖することで口内炎に発展することがあります。
なにしろ、位置的にも奥にあるため、丁寧な歯磨きもできず、周囲の粘膜とも頻繁に接触しますし、噛んでしまうことも多いでしょう。
そのため、十分な口腔ケアができず、衛生状態が悪くなり、口内炎の原因となってしまうのです。
また、周囲の歯肉が腫れる智歯周囲炎になると、痛みのあまり、まったく歯磨きができなくなることもあります。
口の中の衛生状態を元に戻すことが大事になってきます。それには、うがいが有効です。
薬屋などで手に入るマウスウォッシュを使うのもよいですが、塩水でも代用できます。いずれにしても、あまり口内炎に刺激を与えないようにすることが大切です。
塩水やイソジンなど殺菌成分入りのうがい薬でうがいをした後は、普通の水で洗い流しましょう。なぜならこうした液体は細菌を減らしてくれますが、同時に口腔内の細胞も傷つけてしまうからです。
また、これを続けることによって、口内炎になりにくい口内環境をつくることもできます。
塗り薬としては、直接口内炎に塗る、軟膏タイプの「ケナログ」が有名です。通常、使い始めて数日で痛みはひいていきますが、2週間ほど使ってみて改善がみられない場合は、別の病気を疑ったほうがよいかもしれません。
親知らずが原因でできた口内炎への対処は、やはり「親知らずを抜く」ことが、もっとも有効です。
親知らずがあることで、口の中の粘膜を傷つけ、悪い菌の繁殖を促すことになっています。抜本的に解決するには、やはり抜くことでしょう。
同様に、かみ合わせの不具合や、親知らず以外の歯が口の内側の同じ場所にいつも当たっているような場合も、早急に改善したほうがよいです。常に物理的刺激を与えていると、そこに口内炎ができる可能性を高めます。
また、あまり太り過ぎないように、体重に気を使うことも重要です。親知らずと、頬の内側のいつも同じ場所の粘膜が、接触しやすくなるからです。それによって、口内炎もできやすくなってしまいます。
親知らずのある場所付近に、よく口内炎ができるようなら、早めに歯科医や口腔外科にいって相談しましょう。即、抜歯をしなくとも、まずは自分の親知らずの場所や生え方など、その状態をきちんと把握しておくことが大切です。そのうえで、どのように処置していくか、医師と話し合ってみてください。