記事監修医師
東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック
二宮 英樹 先生
2017/8/29
記事監修医師
東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック
二宮 英樹 先生
ベータアラニンはアミノ酸であるアラニンに似た物質で、少し構造が変化したものです。筋肉の持久力を強化する効果があるとして、スポーツサプリメントによく使用されています。ベータアラニンを使うと人は、ジムで1セット8~15回でウエイトトレーニングするときに、1~2セットを追加してトレーニングできたと報告されています。またベータアラニンを補給することで、短距離走などの中~高強度の有酸素運動のパフォーマンスの改善にもつながります。
ベータアラニンは体内でカルノシンという物質に変わります。カルノシンは体内で酸の緩衝液として作用するものです。つまり、体内が酸性に傾きそうになったときに、その影響を抑えてバランスを取る役割をします。
カルノシンは細胞内に貯蔵され、pHの低下に応じて放出されます。大量のカルノシンが増加することで、pHの低下(例えば、ケトーシスにおけるケトン産生から生じる可能性がある)を防ぐことができ、また運動による乳酸の生成を抑制することもできます。
ベータアラニンを摂取した後は独特の皮膚のピリピリ感(ベータアラニンフラッシュと呼ぶ人もいます)を引き起こすことがありますが、自然に消失します。
b-アラニン、β-アラニン、カルノシン前駆物質
L-アラニン、Lカルノシン
急に過剰に摂取すると、かゆみなどの感覚異常が生じます。ただし、害はありません。
1日の標準服用量:2~5g
ベータアラニンは、運動前に服用することが一般的ですが、実際には補給はタイミングに依存するものではありません。ベータアラニンを大量摂取すると、感覚異常と呼ばれるうずき感を引き起こす可能性があります。この無害な副作用は、徐放性製剤を使用する、またはより少ない用量(0.8〜1g)を1日に数回服用することで回避することができます。