記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/28
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
分枝鎖アミノ酸(branched-chain amino acids: BCAA)とは、3つのアミノ酸(ロイシン、イソロイシンおよびバリン)の事を指します。
食事でのタンパク質の摂取量が少ない人にとって、BCAAを補給することで、筋タンパク質の合成を促進し、時間の経過と共に筋肉の成長を増加させることができます。BCAAの補給は、筋肉の疲労を防ぐためにも使用できます。
ロイシンは筋肉タンパク質合成において重要な役割を果たし、イソロイシンは細胞内へのグルコースの吸収を誘導します。 BCAAサプリメントにおけるバリンの役割を決定するためには、さらなる研究が必要です。
BCAAを補給することで、運動中に起こる循環血液中のBCAA低下を防ぐことができます。BCAAの減少は通常、トリプトファンの脳への流入を引き起こしますが、トリプトファンは脳で疲労感の原因となるセロトニンの生成を促すことになります。従ってBCAAを摂取することでトリプトファンの脳への流入を減らし、運動中の疲労感を減少させることができると言われています。BCAAは毎日摂取することが重要ですが、多くのタンパク質源は肉や卵などの食品に含まれているため、食事からのタンパク質の摂取量が十分に高い(体重1kgあたり1〜1.5g以上/日)人であれば非運動時の補給の必要はありません。
運動時にBCAAを利用することによる効果の研究データをいくつかご紹介します。
などのデータがありますが、結果の解釈には注意が必要と言われています。例えばこれらの実験では食事からのBCAAの摂取が不十分であったという可能性が示唆されており、日常の食事で十分BCAAを取れている場合同じような効果が得られないのかもしれません。
BCAAs、BCAA
ロイシン、イソロイシン、バリン(すべて個別の分枝鎖アミノ酸)
BCAA補給による様々な代謝の促進作用が報告されていますが、このトピックの研究が不足しているため、プラセボ効果を原因として除外することはできません。
イソロイシンの標準的な投与量は、非肥満者を想定した場合、体重1kgにつき48~72mgです。標準ロイシンの投与量は2〜10gです。併用投与量は20gで、これはロイシンとイソロイシンのバランスの取れた比率で組み合わせたBCAAの総量です。
イソロイシンは細胞へのグルコースの取込みを増加させるために使用され、ロイシンは筋タンパク質合成を改善するために使用されます。十分なBCAAが食事によって提供される場合、BCAAの補給は必要ありません。バリンの最適な投与量および補給の理由を決定するためには、さらなる研究が必要だとされています。