記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/24 記事改定日: 2019/2/13
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
しゃっくりが出てもその日のうちに自然に治まることがほとんどですが、なかには48時間以上しゃっくりが続いたり、しゃっくりが原因で睡眠や食事に支障が出たり、病気のサインとして現われていることもあります。この記事では、病気の可能性があるしゃっくりとしてどのようなものがあるかを紹介します。
しゃっくりは横隔膜痙攣(おうかくまくけいれん)と呼ばれる症状で、けいれんしたときに息を吸ってしまうことで起こります。
小さな子供からお年寄りまで、性別や年齢を問わず起こる病気ですが、現在のところ、しゃっくりが起こるはっきりとした原因はわかっていません。
ほとんどのしゃっくりは自然に止まりますが、以下のような場合は病院で診てもらうのがおすすめです。
上記のような場合、しゃっくりの陰に何らかの原因疾患が隠れている可能性があります。特に「睡眠障害があるかどうか」は診断で重視されることが多いので、思い当たる場合は早めに病院で診てもらいましょう。
末梢性しゃっくりは、末梢神経が刺激を受けることによって起こります。これは肺癌や胃癌といった消化器系の病気によって末梢神経が刺激されることが原因です。また、肺の炎症や喘息などによって生じることもあります。
抹消神経は消化器系、呼吸系、循環器系の近くに存在しているため、近くの器官に異常が生じると末梢神経を通じて横隔膜が刺激され、しゃっくりが起こりやすくなります。
中枢性しゃっくりは、中枢神経が刺激されて横隔膜が急激に収縮することによって起こるしゃっくりです。これは脳腫瘍、脳卒中、脳梗塞などが原因となって発生することがあります。また、アルコール中毒の症状として現われることもあるため、注意が必要です。
特徴として、ほかのしゃっくりに比べて間隔が短いことや、しゃっくりが止まりにくいことがあります。また、頭痛や吐き気を伴う場合もあります。
横隔膜への刺激によって起こるしゃっくりで、一般的なしゃっくりの大部分を占めています。誘発因子として考えられる病気は、胃炎、十二指腸潰瘍、胃癌、食道癌などの消化器や腎臓の疾患があります。
横隔膜がけいれんする理由としてさまざまなものがありますが、そのなかに「笑いすぎ、食後のゲップ、辛いものを食べたとき、お酒を飲んだとき」がよく挙げられます。これは香辛料やアルコールによって、横隔膜付近の筋肉が刺激されることでけいれんが起こりやすくなるためと考えられています。また、過度なストレスによってもしゃっくりが起こる可能性もあります。
しゃっくりは自然に止まる良性のものがほとんどですが、なかには他の病気が関係している場合もあります。特に「末梢性しゃっくり」と「中枢性しゃっくり」は深刻な疾患が隠れている可能性があります。もし、しゃっくりが3日以上続いている場合や睡眠や食事などに支障が出ている場合は、早めに病院で診察を受けましょう。