記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/31
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
緑茶は日本で伝統的に飲まれていますが、カテキンなど様々な健康効果を持つ物質を含んでいます。緑茶カテキンは、緑茶として摂取する場合あるいはサプリメントとして摂取する場合のどちらにおいても以下のような有益な効果が見られます。
・心臓保護作用
・神経保護作用
・肥満防止
・抗発癌作用
・抗糖尿病作用
・抗動脈硬化作用
・肝臓保護作用
・血管の健康を保つ
カメリアシネンシス、緑茶抽出物、GTE
・緑茶には少し刺激性があります(カフェインなどを含んでいるため)。
・緑茶はタンニンを含んでいるため、長時間浸すと非常に苦い味になります。ただし、タンニンは体に悪いものではありません。
・緑茶の抽出は特別な処理方法でない限り簡単にできます。液体状態の茶とカプセル形態は、おそらく投与量と味を除いてほとんど差はありません。
・乳たんぱく質は緑茶カテキンと複合体を形成することがありますが(一時的に消化不能になります)、これらの複合体は消化され、緑茶は腸内で放出されるため、一緒に摂取しても結局は緑茶の成分は吸収されると考えられています。
緑茶カテキンの有益とされる成分の大部分は、エピガロカテキンガレート(Epigallocatechin gallate: EGCG)によるものです。お茶1杯に含まれるEGCGの量は、様々な要因(茶種、浸した時間、酸化時間)によって異なりますが、緑茶1杯にはEGCG相当量が約50mg含まれています。
緑茶カテキンの脂肪燃焼効果は用量依存的に得られるとされています。人における有意な影響は、EGCG量が1日当たり400〜500mgのような高用量でのみみられます。
癌予防効果は用量依存的であり、EGCG単独ではなく全てのカテキンを最小投与量(200mg以上)消費した方が良いでしょう。ただし、頻度が多い(1日3回以上)と吐き気を起こしやすくなるため注意が必要です。
緑茶には、タンパク質、炭水化物、脂肪の取り込みを抑制するメカニズムがあります。しかしながら、食事の一部として緑茶を摂取する場合、「タンパク質の阻害」と「脂肪の抑制」は、実際には少ないとされています。
緑茶は非常に多くの栄養素の吸収を妨げる可能性があります。緑茶は、ラクターゼ、スクラーゼ、マルターゼ、アミラーゼ、α-グルコシダーゼ、リパーゼ、トリプシン、ペプシン、およびキモトリプシンなどの酵素を抑制する可能性があります。しかしながら、タンパク質の消化酵素の抑制は、唾液分泌の際に大きく軽減されます。プロリンが豊富なペプチドが唾液中に分泌されることで、タンパク質消化酵素に対する阻害効果を減少させます。
以上を見ますと緑茶の健康効果は非常に優れていて、もはや摂取しない理由はないと思えてしまうほどです。ただし、取りすぎた場合はやはりカフェインやその他含まれている物質によって気持ちが悪くなったりすることもあるため注意しましょう。