関節リウマチの原因とは ~ 考えられる予防法を解説 ~

2017/9/4

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

関節リウマチは主に女性に多くみられる関節に痛みを伴う病気ですが、その原因はどのようなものでしょうか。また、予防する術はあるのでしょうか? 今回は関節リウマチの原因や予防法を解説します。

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関節リウマチの原因

関節リウマチ(以下、リウマチ)は、体の抵抗力、つまり免疫システムが自己を攻撃した際に起こります。他の組織にも影響を及ぼしますが、関節が特に影響を受けすいといわれています。関節の磨耗によって起こる変形性関節症と混同されることがあるようですが、これは全く異なる病気です。

男性よりも女性に多い

リウマチは、男性よりも女性によく見られます。その中でも、妊娠経験がない人や既に出産を終えている人が特に発症しやすいとされ、遺伝性もあることが示唆されています。

閉経期年齢がリウマチのリスクを高める可能性

早期閉経した女性は、重度のリウマチを発症するリスクが低いことが研究により明らかとなりました。リウマチを患っている134人の女性を研究したところ、早期閉経(45歳になる前)の人は、重度の関節炎を患う可能性が、遅発閉経の人の半分であるという結果が出ました。

リウマチは、男性よりも女性によく見られることなどから、ホルモンがリウマチに影響を与えるかもしれないということは指摘されていますが、閉経期年齢がリウマチの重症度に影響を与えるかについては、今後の研究が期待されます。

この発見は、関節リウマチの発症とホルモンの関係性を理解しやすくすることだけでなく、患者の長期予後を予測するうえでも大きな助けになり得る重大な発見といえるでしょう。

はっきりとした理由はわかっていない

遺伝子と環境が組み合わさることで発症する可能性や細菌やウイルスによる感染が引き金になる場合もあると考える研究者もいるようですが、関節リウマチの明確な原因はわかっていません。

リウマチの予防方法

リウマチを防ぐ方法は、今のところまだ見つかっていませんが、以下に挙げる方法でリスクを防ぐことができるかもしれません。

喫煙がリスクになる可能性がある

喫煙とリウマチが深く関係していることは明らかになっています。もしタバコを吸っているのなら、すぐに禁煙を始めましょう。喫煙はリウマチの進行を速め、関節の損傷をさらに増加させることを示す研究もあります。

肥満がリスクになる可能性がある

肥満の人は、リウマチを発症するリスクがより高いとされています。また、55歳以上であれば、減量によって、さらに発症リスクを下げることできるといわれています。

歯周病がリスクになる可能性がある

ある研究では、リウマチと歯周病に関連性があるかもしれないということが示されています。丁寧に歯磨きやフロスをし、定期的に歯医者で診療してもらいましょう。

おわりに:リウマチは早期治療で痛みを軽減できます

これまで述べたようにリウマチの発症を確実に防ぐ方法はありません。しかし、早期治療をすれば症状の痛みを抑え、関節の変形を防ぐことができるといわれています。最初の症状が出てから3~6ヶ月で治療を始めることが理想的とされているので、疑わしい症状があるときはすぐに受診しましょう。

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