食べすぎ・飲みすぎではないのに、吐き気がするのはストレスのせい?

2017/9/1

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

「食べすぎや飲みすぎじゃないのに吐き気がする・・・」
そんな吐き気にはストレスが深く関わっている可能性があります。
この記事でストレスによる吐き気の原因・症状・対処法について詳しく見ていきましょう。

ストレスによる吐き気の症状

ストレスによる吐き気は「心因性嘔吐」と呼ばれ、ウイルスや体の異常ではなく精神的なストレスが原因のものを指します。ストレスがかかる状況に慣れてしまっているなど、本人が心理的ストレスを自覚していないことも多いです。

代表的な症状として、以下のようなものがあげられます。
・悪心(嘔吐はしないが、気持ち悪い・ムカムカする状態)
・何度も続けて嘔吐する
・習慣性嘔吐(食後などの決まった時間に吐いてしまうこと)

ストレスによる吐き気はの多くは、不安を感じたり緊張したりする場面で発生します。
また、車の中で嘔吐をすると、それ以降は車を見ただけで吐き気がするようになるというように、特定の条件下に身を置くことによって症状が現われる場合もあります。

症状は場合数日~数ヶ月持続しますが、不安や緊張を伴うシーンから遠ざかると改善・解消することが多いです。

ストレスが吐き気を招いてしまう原因

吐き気は脳にある嘔吐中枢や化学受容器引き金帯:CTZ(Chemoreceptor Trigger Zone:脳幹領域に存在する器官の一種)が刺激されることで発生します。
ストレスによって生じた不快な感情が上手く処理されず大脳に伝わると、嘔吐中枢が刺激を受けて吐き気が現われるのです。

また、嘔吐中枢はストレスによって消化器官や内耳(ないじ)にダメージ受けることでも刺激されます。
ストレスで胃腸が荒れると嘔吐中枢が胃腸内の異物を取り除こうとするために吐き気が生じ、ストレスが内耳を刺激すると平衡感覚が失われてめまいのような症状が起こります。それによって嘔吐中枢が刺激されて吐き気を催すのです。

ストレスによる吐き気を放置すると・・・

嘔吐の回数が増えると胃酸で食道粘膜が炎症を起こしたり虫歯が増えたりする可能性があります。

また、吐くのが嫌で食事を食べずに摂食障害へ進行することや、人前で吐いてしまうことを心配して人との接触を避けてしまうようになることも考えられます。

ストレスによる吐き気の対処法

吐き気の症状がひどい場合には吐き気止めや抗不安薬を使って治療を行います。
ただし、吐き気止めの効き目は一時的なものなので、吐き気を完全に解消するには吐き気の原因となっているストレス因子を遠ざけることがおすすめです。

多くの場合ストレスを完全になくすことは難しいですが、ストレスの要因となるものや人にはできるだけ関わらない、吐き気以外に意識を向けて気を紛らわす注意分散法などの方法でストレスを軽減することはできます。

おわりに:ストレスによる吐き気が続くときは医師に相談を

心因性嘔吐は大きな精神的なストレスがかかる場面や特定の条件下で現われることが多いです。

ストレスによる吐き気を繰り返すと嘔吐時の胃酸による歯のトラブルや胃や食道の炎症、さらには嘔吐を心配するあまり人との接触を避けてひきこもるようになってしまうなど、他の不調につながる可能性があります。
早めに医師の診察を受けて治療をしていきましょう。

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