ストレスが原因の逆流性食道炎の対処法と、発症のメカニズムとは!?

2017/9/1 記事改定日: 2018/9/21
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

逆流性食道炎とは胃酸や食べ物などの胃の内容物が食道にせり上がり、食道粘膜が炎症を起こしてしまう状態です。
この記事では、ストレスによって逆流性食道炎が生じる原因や仕組み、対処法などを紹介します。

ストレスと逆流性食道炎の関係

逆流性食道炎とは胃液や胃の内容物が逆流し、それが食道の中に留まることで食道の粘膜に起こるただれや炎症を指します。

代表的な症状は「胸焼け」「呑酸(どんさん:酸っぱい液体が口まで上がってくること)」などで、内視鏡検査をすると下部食道粘膜にただれや潰瘍が見られることが特徴です。
胃酸は非常に強い酸性であるため、食道の粘膜を傷つけて炎症を起こします。

そして、ストレスは逆流性食道炎を引き起こす要因となります。
これは、消化器官がストレスの影響を受けやすいからです。
ストレスによって消化器官に下記のような負担が生じます。

  • ストレスがかかると胃酸が多い状態になる
  • 下部食道括約筋の機能が低下する
  • 胃液を分泌する迷走神経が刺激されて空腹時にも胃酸が分泌される

「体がストレスを受ける→ 胃酸が増える・下部食道括約筋の働きが弱まる→ 胃から食道へ逆流が起きる」という形で、ストレスは逆流性食道炎に深く関係していると言えます。

ストレスが原因の逆流性食道炎を対処するには?

まずは痛みや不快な症状を抑えることが大切です。
医師の診察を受けて胃薬や痛み止めを処方してもらいましょう。

また、ストレスを解消することも効果があります。
忙しい日々の中にもリラックスする時間を作る、気分転換をする、睡眠時間を増やすなど、ストレスを少しでも減らす工夫をしましょう。
たとえば、シャワーではなく湯船にゆっくりと浸かる、休憩中に外を散歩する、趣味や買い物などで気分をリフレッシュするという方法があります。

もし、セルフケアでストレスの解消が難しいと感じた場合は、医師に相談して心療内科を紹介してもらってもいいでしょう。

逆流性食道炎のサインとストレスの状態をチェックしてみよう!

逆流性食道炎はストレスが原因で引き起こされることがあります。
以下のような症状に当てはまる人はストレスによる逆流性食道炎を発症している可能性があるため、なるべく早めに病院を受診して検査・治療を受けるようにしましょう。

  • 休んでも疲れが取れない
  • 日常生活でイライラすることが多い
  • 寝つきが悪く、明け方目覚めることが多い
  • 空腹時を中心に心窩部や前胸部がキリキリと痛む
  • 突然嘔吐を伴わない吐き気が生じることがある
  • 夜間、喉の違和感や咳がある
  • 食後、喉が酸っぱく感じることがある

ストレス以外の原因で逆流性食道炎になってしまうことはあるの?

逆流性食道炎を引き起こす原因はストレス以外にもあります。
代表的なものを以下で紹介していきましょう。

下部食道括約筋のゆるみ

逆流性食道炎には食道と胃の入り口に位置する下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん)という筋肉が深く関係しています。
下部食道括約筋は食べ物を飲み込むときにゆるんで食べ物が食道を通過して胃に落ちるようにし、それ以外のときには入り口を締めて胃の内容物が逆流しないための役割を果たしています。

しかし、何らかの原因で下部食道括約筋の働きが弱まると胃の内容物が逆流を起こしやすくなってしまうのです。

脂肪分の摂り過ぎ

脂肪の摂り過ぎも逆流性食道炎を引き起こす原因のひとつです。
脂肪の多い食事を摂ると、消化のために十二指腸からコレシストキニン(膵臓を刺激して消化酵素を分泌させるホルモン)という消化管ホルモンが分泌されますが、このコレシストキニンは下部食道括約筋を弛緩させる作用があります。

また、脂肪は消化しにくいため胃酸の量を増やしてしまい、増えた分だけ胃が引き伸ばされます。
そのため、下部食道括約筋がゆるんだり胃酸の量が増えすぎてしまうことで発症する可能性が高くなると考えられています。

加齢による消化機能の低下

残念ながら年齢と共に下部食道括約筋の働きや食道のぜん動運動(消化管の筋肉を収縮させることで口から食べたものを肛門へと運ぼうとする動き)が弱まります。
さらに唾液の量も少なくなる傾向があるので、胃の内容物が食道に逆流すると、それを戻すことが難しくなってしまうのです。

おわりに:病院での治療とともに、自分に合うストレス解消法を見つけよう

逆流性食道炎になると胃に潰瘍やただれが発生している可能性もあるので、放っておくと危険です。早めに病院で治療を受けるようにしましょう。
また、ストレスそのものを軽減することも症状の改善に効果的です。
どんなことがストレスの発散になるのかは人によって異なるので、自身に合った解消法を行いましょう。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

ストレス(364) 原因(609) 逆流性食道炎(31) 胃酸(11) 下部食道括約筋(1)