記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/9/1 記事改定日: 2020/5/20
記事改定回数:2回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
逆流性食道炎とは、胃酸や食べ物など胃の内容物が食道にせり上がり、食道粘膜が炎症を起こした状態です。いわゆる「胃もたれ」や「胸やけ」が起こることで知られています。この記事では、逆流性食道炎についてストレスとの関係性などの原因や仕組み、対処法や気をつけたい食事習慣などを紹介します。
逆流性食道炎とは、胃液や胃の内容物が食道に逆流して留まることで起こる、食道の粘膜のただれや炎症を指します。特に胃酸は非常に強い酸性であるため、食道の粘膜を傷つけて炎症を起こします。
逆流性食道炎の患者さんを内視鏡検査で調べると、下部食道粘膜にただれや潰瘍が見られます。
逆流性食道炎の原因はさまざまですが、ストレスが逆流性食道炎を引き起こす要因となることがあります。これは、消化器官がストレスの影響を受けやすいからです。
ストレスは消化器官に下記のような負担を生じさせます。
「体がストレスを受ける→ 胃酸が増える・下部食道括約筋の働きが弱まる→ 胃から食道へ逆流が起きる」というサイクルを招くため、ストレスは逆流性食道炎に深く関係していると考えることができます。
逆流性食道炎の原因がストレスの場合は、ストレスを蓄積させずに解消することがおすすめです。
具体的なストレス解消法としては、シャワーではなく湯船にゆっくりと浸かる、仕事や家事の休憩中に外を散歩する、趣味や買い物などで気分をリフレッシュするという方法があります。
ストレス解消は症状緩和の効果が期待できますが、痛みや不快な症状を抑えることも大切です。医師の診察を受けて、必要に応じて胃薬や痛み止めを処方してもらってください。
セルフケアのストレス解消法などを行っても症状の改善が難しい場合は、医師に相談して心療内科を紹介してもらうというアプローチもあります。
逆流性食道炎は早めに治療を開始して症状改善を目指しましょう。
以下のような症状に当てはまる人はストレスによる逆流性食道炎を発症している可能性があります。当てはまる症状がある場合、なるべく早めに病院を受診して検査・治療を受けるようにしてください。
逆流性食道炎を引き起こす原因はストレス以外にもあります。
代表的なものを以下で紹介します。
逆流性食道炎の発症には、食道と胃の入り口に位置する下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん)という筋肉が深く関係しています。
普段は下部食道括約筋によって、胃と食道の間が閉じられています。この働きのおかげで、胃の内容物が食道に逆流しないようになっています。
食べ物を飲み込むときは下部食道括約筋がゆるみ、食べ物が食道を通過して胃に落ちるようにしています。
しかし、何らかの原因で下部食道括約筋の働きが弱まると、胃の内容物が逆流を起こしやすくなってしまうのです。
脂肪分の摂り過ぎは、逆流性食道炎を引き起こす原因のひとつです。
脂肪の多い食事を摂ると、消化のために十二指腸からコレシストキニンという消化管ホルモンが分泌されます。このコレシストキニンは下部食道括約筋をゆるませる作用があります。
また、脂肪は消化しにくいため胃酸の量を増やしてしまい、増えた分だけ胃が引き伸ばされます。
以上のように高脂肪食は、下部食道括約筋がゆるませたり胃酸の量が増えさせたりしますので、逆流性食道炎を発症する可能性が高くなると考えられています。
年齢とともに下部食道括約筋の働きや食道のぜん動運動(消化管の筋肉を収縮させることで口から食べたものを胃へ運ぼうとする動き)が弱まります。
さらに唾液の量も少なくなる傾向があるので、胃の内容物が食道に逆流すると、それらを胃へ戻すことが難しくなってしまうのです。
逆流性食道炎は脂肪分が多い食事や加齢などさまざまな原因がありますが、ストレスによって発症することもあります。ストレスの元や発散方法には人によって異なります。自身に合ったストレス解消法を見つけてください。また医師に相談しながら適切な治療を行い、早期治療を目指しましょう。
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