記事監修医師
都内大学病院勤務
村上 先生
2017/9/8 記事改定日: 2019/4/24
記事改定回数:2回
記事監修医師
都内大学病院勤務
村上 先生
帯状疱疹は神経節に潜伏していた水痘・帯状疱疹ウイルスが、ふたたび活性化することで発症します。治療の効果を高めるためには、なるべく早い段階から治療を始めることが大切とされていますが、どうすれば自分で発症に気づくことができるのでしょうか。この記事では、帯状疱疹が発症する前兆について解説したいと思います。
帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスというウイルスの再活性化によって引き起こされる感染症です。これは水ぼうそうのウイルスと同じウイルスで、水ぼうそうにかかったことのある方なら、誰でも帯状疱疹を発症する可能性があります。
帯状疱疹の湿疹は、初期の段階では虫刺されやかぶれと思ってしまいやすいため、自分で帯状疱疹であるとは判断しにくいです。
また、帯状疱疹の場合、最初は赤い湿疹だけだったところが、だんだんに水疱化してくることも、最初の時点では帯状疱疹と考えにくい理由のひとつといえます。
ただ、帯状疱疹を発症するほとんどの方が、湿疹が出る前に体の片側にチクチク、ピリピリとした痛みを感じていることがわかっています。また、頭痛がしたり、全身がなんとなくだるいといった症状が出る方もいます。
こうした症状は湿疹があらわれる数日~1週間前からみられることが多いので、チクチク感ピリピリ感が起こったときは十分に注意しましょう。
帯状疱疹の前兆と初期症状には以下のようなものがあります。当てはまる項目がある場合には、早期治療・早期回復のためにも目立った症状がない場合でも病院で相談するようにしましょう。
帯状疱疹は、体の左右どちらか一方の神経に反って、ピリピリとした痛みを伴う小さな水ぶくれが帯状にあらわれることで発症します。最も発症しやすいのが、胸から背中にかけたあたりで、ほかにお腹のまわりや顔面(特に目のまわり)に発症することも多いです。
目のまわりに発症した場合、角膜炎やぶどう膜炎、網膜炎といった合併症も併発する可能性があるため、注意が必要です。もし、帯状疱疹の症状に加えて、目がかすんだり、違和感がある場合は、眼科を受診することをお勧めします。
帯状疱疹が発症する原因は水痘・帯状疱疹ウイルスです。水ぼうそう自体は乳幼児や子供の頃に発症し、すでに治っていると思います。しかし、そのとき体内に侵入したウイルスは消滅せず、体内の神経節(顔面の三叉神経、脊髄神経など)に潜伏しています。
健康で免疫力が強い間は、水痘・帯状疱疹ウイルスの活動を抑えることができますが、ストレスや疲労によって免疫力が低下すると、このウイルスが再活性化して症状を引き起こします。健康な大人の場合、帯状疱疹を発症するのは一生のうちで1回程度と言われています。
しかし、他の病気で免疫力が低下している方や高齢の方、免疫を抑制する薬を服用している方の場合は、何度も帯状疱疹を発症することもあります。
持病のある人や体調不良のある人、疲れ気味の人、ストレスを感じている人で気になる症状があるときは、早めに病院を受診するように促してください。
帯状疱疹は最初は赤い湿疹から始まるため、水疱になったり、痛みが出たりするまでは気づきにくい病気と言われています。しかし、湿疹が出る前にピリピリ、チクチクとした痛みや、体のだるさを感じる人が多いとも言われています。また、抗ヘルペスウイルス薬は、早い段階で服用を始めると治療の効果を期待できます。
最近背中に気になる痛みがある、このところ疲れぎみでなんとなく体がだるいなど、気になる症状がみられたら、念のため病院で診てもらうことをおすすめします。