淋病(淋菌感染症)ってどんな病気? ~ 症状・原因・治療法 ~

2017/9/4

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

性感染症として知られる「淋病」の発症者数が、近年増加傾向にあるといわれています。淋病は20代の若者が発症することが多いのですが、症状を自覚できずに放置してしまうケースも少なくありません。具体的な症状などの基礎知識を身につけておきましょう。

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淋病(淋菌感染症)の症状

淋病(淋菌感染症)は性感染症の一種で、その症状は男性と女性で少しずつ異なります。

症状(男性の場合)

男性の場合は2~9日程度の潜伏期間の後、尿道口に膿が現れ、排尿痛が生じるようになるのが一般的です。ただし、粘液性の分泌物しか出てこなかったり、自覚症状がなかったりというケースも近年報告されています。

症状(女性の場合)

女性の淋病は男性と比べて排尿痛などの症状が軽く、また、膿をおりものと勘違いしてしまうことも少なくないため、自覚できないケースが多い傾向にあります。そのため、無自覚なまま放置した結果、感染が子宮や卵管にまで達し、下腹部の激痛や発熱が起きることがあります。

【出典: 下記ホームページを編集して作成】
・国立感染症研究所「淋菌感染症とは」 https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/527-gonorrhea.html
・厚生労働省「淋菌感染症」 http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-34.html

淋病を発症する原因

淋病は、主に性交や性行為を通じて淋菌に感染したことが原因で引き起こされます。ペニスの挿入を伴う性交によって尿道に感染することが多いですが、オーラルセックスによって咽頭に感染し、淋菌性咽頭炎を発症することもあります。

淋菌は、患者の粘膜から離れると数時間で感染性を失い、日光、乾燥や温度の変化、消毒剤で簡単に死滅する弱い菌なので、性交や性行為以外で感染することはまれです。

【出典: 下記ホームページを編集して作成】
・国立感染症研究所「淋菌感染症とは」 https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/527-gonorrhea.html

淋病を放置した場合、体にどんな影響が及ぶか

男性の淋病は、未治療のまま放置すると前立腺炎や精巣上体炎に発展し、その後遺症として尿道狭窄が起こる恐れがあります。また、女性の場合は感染が卵管まで達した場合、子宮内膜炎や卵管炎などを引き起こし、不妊症になってしまうケースもあります。妊婦さんが感染した場合は、赤ちゃんが産道で淋菌に感染し、結膜炎を発症してしまう可能性があるので注意が必要です。

【出典: 下記ホームページを編集して作成】
・厚生労働省「淋菌感染症」 http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-34.html

淋病の治療法

淋病に対しては、抗菌薬による治療が行われるのが一般的です。具体的には、スペクチノマイシンの筋肉注射、セフィキシムやオフロキサシン、ビブラマイシンなどの経口薬投与があります。

【出典: 下記ホームページを編集して作成】
・国立感染症研究所「淋菌感染症とは」 https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/527-gonorrhea.html

おわりに: 再発を防ぐためにも、抗生物質を服用してきちんと治すことが大切

淋病は尿道狭窄や不妊に発展するリスクがあるだけでなく、何度も再感染してしまう可能性がある病気です。淋病の可能性がある症状が見られた場合は病院で適切な治療を受け、普段から性行為の際はコンドームをしっかり使用することを心がけてください。

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