記事監修医師
前田 裕斗 先生
2017/9/7
記事監修医師
前田 裕斗 先生
月経(生理)と同じように、おりものにも周期があることをご存知ですか?
この記事でおりものが必要な理由や月経周期とおりもの関係や変化などを詳しく見ていきましょう。
おりものは子宮・腟・汗腺からの分泌物や老廃物が混じりあった体液で、腟の中を適度に潤わせて細菌などの侵入を防いだり、性交を潤滑にしたり、精子を着床しやすくする働きがあります。
人によって異なりますが、正常なおりものは透明に近いまたは白っぽい色で、かすかに甘酸っぱいにおいがすることが多いです。
おりものの分泌には女性ホルモンが影響しているため、年齢や体調などによって量や状態に変化が見られます。
【 厚生労働省ホームページを編集して作成 】
おりもので下着がベタつく、においが気になるなど好ましくない印象があるかもしれませんが、おりものは体にとって大切な働きをしています。
ここでは、おりものが女性の体で果たす役割を詳しく紹介します。
おりものには自浄作用と呼ばれる働きがあり、細菌が侵入するのを防いで腟をキレイに保ちます。
また、おりもの内のデーデルライン桿菌(かんきん)が腟の中を弱酸性の状態にし、大腸菌やカンジダ菌の繁殖を防ぎます。
月経(生理)と同じようにおりものにも周期があります。
おりもののサイクルは月経周期と密接に関わっていて、状態や量が月経周期に応じて変化します。自身のおりものの周期を知ると月経(生理)や排卵日などを予測しやすくなり、体調の変化に大きく左右されずに過ごすことが可能です。
以下で女性の体のリズムを「卵胞期」「排卵期」「黄体期」「生理前」の4段階に分け、おりものとの関係を見ていきましょう。
生理の後は残った経血とおりものが混ざるため、茶色っぽい状態であることが多いです。
量は少なく、ベタつきがあまり感じません。
卵胞期も後半になると排卵期に向けておりものの量が増え、排卵期の2~3日前かけて最も多くなります。
排卵期のおりものは透明でとろみがある状態で、においはわずかです。
この時期のおりものは受精をサポートする役割を果たすと言われています。
黄体期になるとおりものの量は減りはじめ、粘り気のある白く濁った状態になります。
下着につくとにおいや色の変化が気になることが多いです。
生理前になるとおりものの量が再び増はじめ、においが強くなってきます。
黄体期と同様のドロりとした白っぽい状態になることが多く、生理の数日前から少量の血が混ざることもあります。
おりものは腟を細菌などから守ってくれたり、妊娠をしやすくしたりと、女性にとって大切な役目を果たしています。
また、おりもののサイクルを把握することは月経などの体の状態を知るうえで大きな手がかりになります。
おりもののマイナス面だけに目を向けず、体の変化を知るバロメーターと捉えてつきあっていきましょう。