固定薬疹の症状の特徴とは?治療はどうやって進められる?

2017/9/8 記事改定日: 2019/6/27
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

体にふいに赤紫の発疹ができたなら、それは固定薬疹かもしれません。アレルギー症状のひとつで、同じ薬を飲んだときに、同じ場所に発疹が現れます。重症化することもあるという固定薬疹について、詳しくみてみましょう。

固定薬疹とは

ある特定の薬剤を摂取するたびに、体に赤みや発疹が出る症状のことです。このような症状が、同じ薬を飲んだ、もしくは同じ成分の薬を飲んだなど同種の原因が体に加わったときに、前回と同じ場所に現れるのが、固定薬疹の大きな特徴です。

原因となる薬を服用した30分程度後に症状が現れ、患部にピリピリ感やかゆみを感じるようになり、3~6時間程度で発疹を生じ始めます。発疹は、円形が多く、赤く盛り上がる紅斑が大半です。

出現場所は、口唇や外陰部など皮膚粘膜移行部、手や足の甲によく出現します。
固定薬疹だと気づかずに何度も同じ薬を服用した場合、徐々にその場所に色素沈着が起こったり、発疹の出る範囲が全身に広がってくることもあります。

固定薬疹の症状にはどんな特徴がある?

固定薬疹の代表的な症状は

  • 発症する紅斑が毎回同じ場所に発生する
  • 治癒するときに色素沈着を残す
  • 薬の服用後、比較的早く症状が現れる

ことです。

また、発疹が円形か、類円形であることも特徴的で、一部に水疱を形成することがあります。多少のかゆみがあり、熱を持っているように感じることもあります。

通常、このような発疹は1つ、ないしは数個以内が多いですが、固定薬疹を何度も発症するうちに数が増えていき、多発型に移行する危険があります。

全身に多発するようになると、重症薬疹であるスティーヴンス・ジョンソン症候群(SJS)や中毒性表皮壊死症(TEN)、多形紅斑などと鑑別することが難しくなり、固定薬疹ではほとんどみられないような高熱などの全身症状も伴うようになり、症状が重くなっていきます。

原因となる薬剤として多いのは消炎鎮痛薬であり、その中でも特に多いのが非ステロイド系抗炎症薬や抗生物質です。

固定薬疹の治療法は?

固定薬疹の治療は、通常の薬疹の治療と同じく、まずは原因となっている薬剤を突き止め、その薬の服用をやめることから始まります。
固定薬疹の場合、仮に全身に多発するような状況になっていても、原因薬剤を中止するだけで症状が改善することが多く、その多くは薬剤を中止してから1日以内で改善がみられます。

薬の服用や円形の紅斑、色素沈着、そして服薬履歴の問診などから、医師による固定薬疹の診断自体は比較的容易といわれています。

ただ、治療や診断で重要になってくるのが、原因薬剤の特定です。固定薬疹を引き起こす可能性があるのは“すべての薬剤”であり、漢方薬と市販薬にもリスクがあります。
どんな薬剤をいつから使用しているのかという服薬履歴をつくり、服用している薬剤すべてを正確に医師に伝えられるようにしておきましょう。

治療の進め方

固定薬疹の明確な診断基準はありませんが、同一の薬剤を使用するたびに同じ場所に境界がはっきりした赤く痒み・痛みを伴う発疹が生じるため、比較的容易に診断が下されます。

治療の原則は、テトラサイクリンやサルファ剤、消炎鎮痛剤など原因となる薬剤の使用を中止することです。原因薬剤の使用を中止することで症状は徐々に改善していきますが、症状がひどい場合にはステロイドを含んだ塗り薬やステロイドの内服治療が行われます。また、極めて重症な場合やステロイドでの治療のみでは十分な効果が得られない場合には免疫グロブリン製剤が使用されるケースもあります。

おわりに:自己判断で服用を中止すると体調悪化の可能性も。まずは主治医に相談を

固定薬疹を改善するには、原因となる薬剤の中止が必要です。ただし、薬の服用時に持っていた病気の状態などもあって、自己判断での服用中止が体調悪化を招くこともあります。まずは主治医と相談するようにしましょう。

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