亜鉛

2017/9/19

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

亜鉛は、多くの酵素の調節に関与する必須鉱物です。それは抗酸化物質と免疫増進補助剤です。亜鉛は、最も一般的には、病気の頻度を減らし、テストステロンの最適レベルをサポートするために補給されています。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

概要


亜鉛は、生存に必要な24の微量栄養素のうちの1つです。亜鉛は主に、肉、卵、マメ製品に含まれています。特に牡蠣には亜鉛が豊富に含まれています。

亜鉛は性欲を増進させるとされており、セックスミネラルとも言われます。テストステロンを上昇させるという報告もありますが、テストステロンレベルが上昇するのは、その人が亜鉛を欠乏している場合だけです。亜鉛はまた、酵素、ホルモン、および免疫系の機能にとって非常に重要なミネラルです。

非常に高用量では、亜鉛はアロマターゼ阻害剤として作用し、エストロゲンレベルを低下させることができます。また、強力な抗酸化物質でもあります。亜鉛は毛、爪、皮膚や粘膜の代謝に大きな役割を果たします。高用量で補給されると消化管粘膜の修復に効果を発揮します。L-カルノシン亜鉛(ポラプレジンク)は胃潰瘍に対する保険適応があります。

亜鉛は汗によって失われ、食べものから多くの亜鉛を取らないアスリートにとっては、補給が非常に重要になります。

基礎知識


・亜鉛に刺激性はありません。

摂取方法


亜鉛には2つの標準用量があります。1つは低用量の5〜10mgであり、もう1つは高用量の25〜45mgです。低用量は亜鉛欠乏の予防として適切ですが、高用量は亜鉛欠乏症の危険性がある人が服用すべきです。亜鉛を含むミネラルはそのままでは吸収率が低いので、アミノ酸と結合させることで吸収率を高めており、これをキレート加工と言います。

亜鉛のキレート加工にはモノメチオニンとのキレート、ピコリン酸亜鉛(Zinc Picolinate)、クエン酸亜鉛(Zinc Citrate)、グルコン酸亜鉛(Zinc Gluconate)などがあります。

・クエン酸亜鉛(Zinc Citrate)は約34%の亜鉛を含みます。

50mgの亜鉛の場合のためには146mgのクエン酸亜鉛を摂取します。

・亜鉛モノメチオニンは重量で約21%の亜鉛です。
50mgの亜鉛の用量の場合、238mgの亜鉛モノメチオニンを服用します。

短期間(2〜4ヵ月)、1日100mgまでの摂取は、安全であることが確認されていますが、長時間の摂取は推奨されません。

なお、腸内において亜鉛はカルシウム、鉄などの他のミネラルと同じ輸送体によって吸収されるため、これらのサプリメントとは別に摂取したほうがいいでしょう。

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