腹部大動脈瘤の症状とは!?自覚症状がないって本当?

2017/9/19 記事改定日: 2018/7/5
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

腹部大動脈瘤は死の危険につながるとても怖い病気です。症状が現れることがほとんどないため、知らない間に進行してしまいます。この記事では、腹部大動脈瘤の症状と予防法、早期発見のために注意することなどをお伝えします。

腹部大動脈瘤(だいどうみゃくりゅう)ができるのはなぜ?

大動脈の血管の壁が弱くなっているところが、血圧などで圧力が加わり、膨らんでしまい、瘤のような状態になったものを大動脈瘤といいます。ちなみに食道や心臓近くの部位にできるものは胸部大動脈瘤で、腹部の大動脈(横隔膜より下の大動脈)にできるものが腹部大動脈瘤です。

腹部大動脈瘤は高齢者に多い!?

大動脈瘤の主な原因は動脈の壁が動脈硬化などによって弱り、もろくなってしまうことです。そのため、高齢者に多く、特に60歳以上の男性によくみられます。 以下の要因は、発症リスクを増やす可能性があります。

  • 高血圧
  • 肥満
  • 喫煙
  • 脂質異常症

高齢者に多い高血圧と喫煙がそのリスクをさらに増やしています。特に、喫煙は高血圧や糖尿病よりも強い関連があるという研究結果も報告されています。

腹部大動脈瘤の症状とは!?どうやって兆候に気づけばいい?

腹部大動脈瘤には痛みなどのはっきりした自覚症状がないことがほとんどです。やせ型の人では瘤が大きくなるとお腹を触れた時に「脈打つ」ような感じの膨らみを触れることもあり、腹部大動脈から分岐する血管が閉塞することで神経障害や胃腸症状が現れることもあります。しかし、これらの症状が生じてからと言って、腹部大動脈瘤によるものと予測する人はほとんどいないでしょう。
このため、腹部大動脈瘤を早期発見するためには定期的な検査が必要となるのです。

腹部大動脈瘤が破裂したときの症状は?

腹部大動脈瘤が破裂すると、強い腹痛や腰痛を生じると共に、腹腔内で大量の出血が生じるため、重症な場合では一気に血圧が低下して意識障害を生じることも少なくありません。
また、腹部大動脈から分岐する肝臓、腎臓、脊髄などへの血流が途絶えると、腎不全や神経障害などを生じることもあります。

腹部大動脈瘤を予防するにはどうすればいい?

動脈瘤が大きくなるのを防ぐためには、以下のことを心がけましょう。

  • 禁煙
  • バランスの取れた食事
  • 健康的な体重の維持
  • 定期的な運動
  • 降圧剤やインスリンなど、持病の薬は主治医の指示に従って服薬する

腹部大動脈瘤の検査はどうやって受ければいい?

腹部大動脈瘤は腹部エコー検査やCT検査によって発見することができます。
一般的な健診ではCT検査はまず行われませんが、超音波検査で腹部大動脈瘤がはっきりと観察できたり、疑いがある場合には造影剤を用いたCT検査によって確定診断を行います。CT検査では動脈瘤の大きさや形などから破裂の危険性をある程度は予測することが可能であり、手術を行うか経過観察のみでよいのかを判断する材料にもなります。
このため、腹部大動脈瘤が指摘されたことがある人は定期的にCT検査を受けるようにしましょう。

おわりに:大動脈瘤の疑いがあるときはきちんと検査・治療し、破裂を防ぐことが大切

今までの記事で見たように、症状がほぼないので、気づかないことが多い病気です。定期的に検査で早期発見に備えるとともに、生活習慣と食生活を見直し血管を健康に保つように心がけましょう。

 厚生労働省ホームページを編集して作成 】

関連記事

この記事に含まれるキーワード

心臓(17) 腹部大動脈瘤(7) コブ(4) 大動脈瘤(12)