ばね指とは ~ 指が思うように動かしづらくなる症状 ~

2017/9/21

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

ばね指は、指の酷使によって指の曲げ伸ばしが難しくなる症状ことです。仕事などで指を酷使する人は、ばね指になりやすいといわれています。今回の記事では、ばね指の原因や治療法を解説します。

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ばね指とは

ばね指とは、運動や仕事などで指を酷使することで起こる症状で、妊娠中や産後、更年期の女性に多い特徴があります。指がばねのような勢いのある動きをすることから、「ばね指」と呼ばれます。

ばね指の主な症状は以下のとおりです。
・指を伸ばすときに、ばねのように勢いよく伸びる
・指の曲げ伸ばしがスムーズではなく違和感がある
・指を曲げようとしたときにカクンとした衝撃がある
・指が一定の角度で曲がったまま伸びない
・指の付け根部分の痛みや腫れ

症状が進行した場合、痛みが出てきたり、自力で指を動かせなくなり、もう一方の手で動かす必要がでてきます。

ばね指の原因

ばね指の原因は、指の酷使によるものが多いため、スポーツや仕事で指を良く使う人などは注意する必要があるでしょう。また、最近ではスマートフォンの使いすぎなどで腱鞘炎を起こし、指が一定以上動かなくなったり、指の曲げ伸ばしの際にばねのような反動が起こったりするケースが増えているといわれています。
その他、ホルモンバランスが崩れやすい妊娠中や産後、更年期の女性や、リウマチ、糖尿病、透析を受けている人にも多くみられることが特徴です。

ばね指はどんなふうに治療する?

ばね指の治療法は主に、保存療法と手術療法があります。通常、保存療法を行うことが多いですが、痛みの改善がみられない、または重症の場合は、手術療法を行います。

保存療法

患部の安静と投薬で症状の緩和をはかる保存療法が治療の中心です。保存療法として、以下のような処置が選択されます。

・物理療法(温熱療法)で痛みや炎症を抑える
・局所の安静や非ステロイド系抗炎症剤の投薬
・腫れや痛みが強い場合、腱鞘内ステロイド注射(トリアムシノロンアセトニドなど)を打ちます
・レーザー治療で痛みや炎症を抑える

手術療法

手術療法は主に、内視鏡手術と腱鞘切開手術が行われます。
内視鏡手術のメリットは、傷口が小さく短時間で手術が終わるため、身体の負担が小さくて済みます。

腱鞘切開手術のメリットは、手術中に誤って腱鞘付近の動脈や神経を傷つけてしまうことが少なく、炎症が起こっている場所や合併症があるかどうかの確認が容易なことです。

自分でケアする方法は?

ばね指を発症した場合、第一は患部を動かさないように安静にすることです。装具やサポーターを着用するとより早く症状が治まります。
また、腕の筋肉のストレッチをすることも効果的とされています。その際、指を無理に伸ばさないように注意してください。腕の筋肉を伸ばすことを意識してストレッチをしましょう。

おわりに:指が思うように動かないなど、気になることがあれば病院で診てもらおう

指を普段からよく使う人は、ばね指になりやすいため注意が必要です。指が思うように動かないなど、気になることがあれば病院で診てもらうようにしましょう。ばね指は放置すると症状が悪化し、ひどい場合は関節が硬くなり、拘縮(関節が固定され自力で動かせなくなる)が起こることもあるため、早めに治療することが重要です。

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