シンスプリントを治すには原因を知っておこう!スポーツする人は要注意

2017/9/21

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

ランニングなど、新たにスポーツをやり始めた人が多く発症するため、別名「初心者病」と呼ばれることもあるのがシンスプリントです。しかし、発症するのは、初心者に限りません。予防のためにも原因を知っておきましょう。

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シンスプリントとは


サッカーや陸上競技など、走ることが多いスポーツをやっている人に多く発生する脛(すね)の内側の痛みをシンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)といいます。下腿の内側にある脛骨の下方1/3あたりに、運動中や運動した後にズキズキするような痛みが現れます。

我慢して運動を続けると、走れなくなるどころか、歩く、立ち上がる、あるいは何もしていない状態のときでも痛み続ける事態になることもあります。また、治療を始めてからの治りも非常に悪くなることが多いといわれています。最悪、疲労骨折を起こし、しばらく運動できない事態になりかねないので注意してください。

シンスプリントの原因は足の筋肉の使いすぎ


シンスプリントで下腿部に痛みや不快感を起こすのは、すねの骨(脛骨)についている筋肉(ヒラメ筋、後脛骨筋、長趾屈筋)が、アスファルトなどの硬い地面上でランニングやジャンプ、ダッシュなどで過度に使用されたからです。
この3つの筋肉が何度も使われることで、脛骨を覆っている膜(骨膜)にストレスを与え、それが痛みを誘発します。

シンスプリントは、扁平足気味の人に多いといわれています。偏平足の場合、足の裏の土踏まずのアーチがないので、運動のときの衝撃を吸収できず、すねへの負担が大きくなってしまうからと考えられています。
他には、体重が重い女性や、関節やスネ周辺の筋肉に柔軟性がない人、股関節や膝関節が本来の形から少し歪んでいる人などは運動時の負荷が脚へかかりやすいとされているため、シンスプリントになりやすいようです。

ただし、シンスプリントの主な原因は、過剰な運動による下腿への負担であり、上記のような特徴がない人でもなる可能性は十分にあります。急に練習量を増やしたり、突然運動の環境が変わることも発症につながるので注意しましょう。

シンスプリントになりやすい運動とは


シンスプリントになりやすい運動は、やはり“走ることが多い”運動、そして、“何度もジャンプする”ような脚を酷使する運動です。たとえば、サッカーやバスケットボール、バレーボール、テニス、陸上(とくに長距離)などが挙げられます。また、整っていたフォームが乱れ、脚・足に余計な力がかかってしまうことが発症原因になることもあります。

予防や治療のために大切なこと


以下のことを、運動の前後に取り入れてみましょう。

予防のためにできること

運動は適度に

すねやふくらはぎの筋肉の使いすぎがシンスプリントの原因です。運動は適量を行なうようにしましょう。

靴選びを慎重に

アスリートにとっては、靴も重要な競技道具のひとつです。足への負担を十分に考え、自分の足と競技に合った靴を選びましょう。また、インソールがアーチへの負荷軽減に役立つ場合もあります。

準備運動をしっかり

ケガの予防のためにも、ウォーミングアップやクールダウンを必ず行いましょう。

もっと筋力を鍛える

痛みがひどくなるような無理はトレーニングは厳禁ですが、強くしなやかな筋肉をつくることは大切です。トレーナーや理学療法士などに相談しながら、適切な方法でトレーニングをしましょう。

治療法

痛みを抑える

急性期は、痛み止めを服用したり、アイシングするなどして、まずは痛みを抑えましょう。

安静にする

痛みがひどいときは脚を休ませ、安静にしておきましょう。

練習の負荷を減らす

練習量を減らさないと、痛みが悪化する可能性があります。治療とリハビリを並行しながら、少しずつ練習量を戻していきましょう。

マッサージをする

すねやふくらはぎの使いすぎた筋肉を揉みほぐすことは、シンスプリントの予防につながります。ただし、急性期にマッサージすると痛みが悪化する場合もありますから、必ず医師や理学療法士などに相談してから行いましょう。

おわりに:運動をするときはきちんと対策をしよう

初心者に限らず、日常的に運動している人は皆、シンスプリントを発症する可能性があります。ウォーミングアップやストレッチなど、運動するときはきちんと対策をしてから行なうようにしましょう。

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