非定型うつ病の症状にはどんな特徴がある?

2017/10/6

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

うつ病には大きく分けて、メランコリー型と呼ばれる従来のうつ病と、非定型うつ病の2種類があるとされており、その症状にも違いがあります。今回の記事では、非定型うつ病の症状などを解説します。

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非定型うつ病とは

非定型うつ病とは、食欲の増加、体重増加、眠気、過眠、顕著な疲労または衰弱、情緒が周囲の環境に非常に敏感になる、そして、極端に拒絶に対して敏感になるといった、特定の症状を含む、大うつ病、もしくは気分変調性障害の亜類型で、特に10~20代の女性に多いとされています。

このタイプのうつ病は、典型的なうつ病にみられる、悲しい気分が持続する症状はみられません。また、原因も異なるため、新型うつ病とも呼ばれることもあります。

非定型うつ病の特徴

非定型うつ病の主な特徴は、情緒によって症状の現れ方に違いがあるということです。従来のメランコリー(親和)型うつ病の人は良いことがあっても気分が変化することは滅多にないとされていますが、非定型うつ病の人は、良いことが起こると気分が向上します。さらに、気分の反応性が伴うと診断される基準は、以下の症状のうち、最低2つがみられる場合を指します。
・寝すぎ(睡眠過剰)
・食欲、体重の増加
・拒絶に対して激しく反応する。もしくは、敏感になる。その結果、社会的もしくは職業に関する人間関係に問題が起こる。
・圧迫、麻痺、もしくは、「のろくなった」という感覚がある

非定型うつ病の原因

メランコリー型うつ病では、まじめで責任感が強く、他人に迷惑をかけないようなタイプが発症しやすいとされていましたが、非定型うつ病では、プライドが高いが内面的に自身がなく、他責的で自己主張に欠けるタイプの人が発症しやすいとされています。あまり他人に意見を言えず、失敗を恐れる傾向にあり、自身を喪失してしまうことなどが原因と考えられます。

非定型うつ病はストレスに弱いため、ストレスの蓄積が原因になることも多いです。遺伝が原因ではないかという意見もありますが、遺伝が要因になるケースは少ないといわれています。

非定型うつ病の治療法

非定型うつ病の治療法は、症状の重さによって、心理療法(トークセラピー)、医薬品、もしくは、その両方がすすめられます。また、精神科医、心理学者、メンタルヘルス治療の有資格の専門家を紹介されることもあるでしょう。その他、モノアミン酸化酵素阻害薬(MAOI)も、非定型うつ病の症状改善効果が期待できます。

おわりに:過食や過眠など、気になる症状があれば、医師の診察を

非定型うつ病は、現代の発達したテクノロジーや、ライフスタイルの変化により個人の自由が尊重されるようになったことも要因ではないかといわれています。医師や専門家と話すことで改善する可能性もあるので、叱られると酷く落ち込んでしまったり、過食、過眠などの気になる症状がある場合は、医師の診察を受けるようにしましょう。

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