アキレス腱周囲炎とは ~ スポーツで酷使すると発症しやすい ~

2017/9/26

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

運動やスポーツでアキレス腱を酷使することによって発症するとされているアキレス腱周囲炎は、特に中年以上の人に多く発症するといわれています。今回の記事では、アキレス腱周囲炎について解説します。

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アキレス腱周囲炎とは

アキレス腱周囲炎とは、アキレス腱を覆っている薄い膜(パラテノン)に生じる炎症のことをいいます。炎症が起こると、アキレス腱を伸ばしたときに痛みが起こったり、足首を動かしたときに、きしんで擦れるような感覚が現れることがあります。脚の使いすぎや過度な負担で起こるため、スポーツの習慣のある人に発症することが多いです。

アキレス腱周囲炎を招く原因

アキレス腱周囲炎の原因は以下のとおりです。

・スポーツの過度なトレーニングなどによるアキレス腱の酷使
・不適切なトレーニング方法
・靴の不適合や扁平足(へんぺいそく)などの足部変形
・加齢による腱の変性や損傷

アキレス腱周囲炎はどうすれば治る?

アキレス腱周囲炎の治療法は保存治療が中心です。痛みがひどい場合は患部の安静が必要になり、湿布剤や炎症鎮痛薬の内服で痛みに対処することもあります。
症状が治まってくれば徐々に運動を再開できますが、運動前の入念なウォーミングアップと運動後のクールダウンは徹底するようにしましょう。また、アキレス腱への負担を軽減するためにテーピングしたり、固定具を使う必要がある場合もあるので、医師や理学療法士に相談するようにしてください。

扁平足などの場合は、アキレス腱への負荷を軽減させるために足底挿板(靴の中敷に加工を加えたもの。インソール)を使うこともあるでしょう。
再発を繰り返す場合は、非常にまれですが、アキレス腱再建手術が行われる場合もあります。

アキレス腱周囲炎を予防するには

アキレス腱周囲炎を予防する方法は、以下のとおりです。

ストレッチやウォーミングアップ

アキレス腱周囲炎の予防の第一は、ストレッチやウォーミングアップをすることです。若い人であっても、急にダッシュしたりジャンプをすることは危険がともないます。年齢に関わらず、運動前は必ずウォーミングアップを行いましょう。

また、加齢によるアキレス腱の硬化を防ぐためにも、ふくらはぎからアキレス腱にかけてストレッチを習慣化しましょう。ただし、痛みがある場合は中止してください。

足を温める

普段からお風呂で湯船に浸かり、足をゆっくり温めるようにしましょう。お湯に浸かることで下半身の血流が良くなるため、足の疲れの改善にも役立ちます。

おわりに:アキレス腱周囲炎は使いすぎが原因。違和感が出たら足を休めよう

アキレス腱周囲炎の原因は運動やスポーツによるアキレス腱の酷使です。特に中年のランナーの方は、運動前のストレッチを入念に行い、もし違和感を感じた場合は無理をせず、足を休めるようにしましょう。

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