舌が痛いのはなぜ? 考えられる原因と対処法は?

2017/9/27

記事監修医師

日本赤十字社医療センター、歯科・口腔外科

川俣 綾 先生

舌の痛みには口内炎などの口の中の炎症によるもの、神経の異常によるもの、原因がはっきりとしないものがあります。それぞれの原因や対処法について、この記事で詳細を見ていきましょう。

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舌が痛くなるのはなぜ?

舌が痛くなることの原因として、以下の4つの理由が考えられます。

・口内炎、腫瘍、感染症、神経痛などの病気
・口内の汚れによる細菌の繁殖
・入れ歯、歯による刺激
・熱い食べ物や飲み物による火傷

歯磨きが行き届いていなかったり、歯磨きの後のすすぎ残しがあると、食べかすなどで口の中が不衛生な状態になります。そうすると雑菌が繁殖しやすくなり、舌の炎症につながることがあります。
また、サイズの合わない入れ歯を使っていることで舌が刺激されたり、歯で舌を傷つけてしまうことも舌の痛みの原因となります。

舌の痛みを引き起こす病気がある?

一部の舌の痛みは、病気によって引き起こされます。
痛みを引き起こす代表的な病気は以下の通りです。

アフタ性口内炎、カンジダ性口内炎

アフタ性口内炎は口内の粘膜にできる白い口内炎で、再発するケースが多いことから再発性アフタとも呼ばれます。
傷ついた粘膜などにウイルスや細菌が感染することに加え、疲れや精神的ストレスなどが発症原因になる可能性があると考えられています。

カンジダ性口内炎は、カンジダ菌(カビの一種)によって舌にできる口内炎です。
痛みがないことが多く、舌の表面に白いブツブツがたくさん出ます。免疫機能が弱い子供や高齢者、糖尿病などで免疫機能が低下している人は特に発症しやすく、何度も再発していると治りが悪くなるのが特徴です。

舌痛症、舌咽神経痛

舌痛症は舌先、舌のふちがヒリヒリとした痛む症状です。
見た目は通常時とほとんど変わらないのが特徴で、口内の乾燥や味覚症状が現われることがあります。
舌痛症の発症には、精神的ストレスのほか、ビタミンB12や鉄分の不足、虫歯や歯周病、薬の副作用などが関係していると考えられていますが、はっきりとした原因はわかっていません。

舌咽神経痛は、のどの奥にある舌咽神経に異常が起こることで突発的な痛みが生じる病気です。口を大きく開けたときや酸味の強い物を食べたときなどに、強い痛みや鋭い痛みが急に現れます。
痛みはのどの奥で起こることが多く、舌ではなくあごの関節が痛いと感じる人もいるようです。

舌の痛みはどうすれば治る?

痛みの原因によって対処法は異なりますが、舌にできものや炎症がある場合は口腔外科または耳鼻咽喉科で診察してもらうようにしましょう。歯や義歯などによる刺激が原因と考えられる場合は、歯列矯正や義歯の交換などの処置がすすめられることもあるかもしれません。

舌の痛みを予防することはできる?

舌の痛みのほとんどは、口の中をキレイにして細菌の繁殖を防ぐことで予防することができます。
以下のような方法で、口内を清潔に保ちましょう。

・歯磨きは毎食後、丁寧に行う(3分間を目安に)
・うがい薬やマウスウォッシュを使う
・舌用のタブレットや舌磨き専用のブラシで舌苔(ぜったい)を優しく取り除く

おわりに:不快感が長く続くようなら、病院で診てもらおう

「舌が痛い」とひとくちに言っても、痛みの原因や程度は様々で、非常にまれにではありますが、悪性の腫瘍や深刻な病気が隠れている場合もあります。痛みが強い場合や不快感が長期間続くような場合は、病院で診察を受けた方が良いでしょう。

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