記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/9/27 記事改定日: 2020/4/6
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
アキレス腱が断裂すると、治るまでに長い期間がかかることがあります。治癒を早めるには正しい応急処置と早期の受診が大切になってきます。
この記事では、アキレス腱を断裂したときの応急処置の方法と、治療法や予防法について解説していきます。
アキレス腱断裂は、踏み込み、ジャンプ、ダッシュなどの動作をしたときなど、下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)が急激に収縮することで起こります。
また、外部から何らかの力が加わった場合や、伸ばしすぎたことで断裂することもあります。これは、加齢によるアキレス腱の老化が基盤にあると考えられており、30~50歳代に多くみられるといわれています。
アキレス腱が断裂すると
といった変化を感じます。
アキレス腱が断裂した直後は体重をかけることができなくなり、しゃがみこんだり、転倒することもあります。
アキレス腱が断裂していても足首を動かすことはできるため、少し時間がたつと歩けるようになりますが、つま先で立つことはできません。
アキレス腱が断裂したと疑われるときは、できるだけ早く病院を受診することが大切です。
また、発症後の応急処置としては、足首の周囲を冷やして、やや挙げた状態にして寝かせた状態にするとよいでしょう。また、添え木などがある場合は足の甲をやや伸ばした状態で固定するとアキレス腱の断裂部位が寄せ合わさるようになるため痛みなどが軽減する場合があります。
アキレス腱断裂の治療法には、保存療法と手術療法の2種類があります。
ギプスや装具で足首を固定し、回復を見ながら少しずつ体重をかけていけるようにギプスや装具を交換していきます。手術療法に比べ再断裂の確率は多少高くなると考えられていましたが、現在では適切な処置が行われていればそこまで大きな差は出ないといわれています。
手術による感染や合併症のリスクを抑えることができますが、断裂が深い場合は保存療法の選択はできません。
手術療法では、断裂したアキレス腱を縫合して治療していきます。皮膚を切開しない経皮縫合術と皮膚を切開する直視下縫合術があり、病院の治療方針や断裂の状態などを考慮して手術方法が選択されます。
保存療法に比べ治療期間が短くなり再断裂のリスクを抑えられますが、感染や合併症のリスクが伴います。
アキレス腱断裂断裂を予防するには次のような対策を行うことが大切です。
アキレス腱の断裂を予防するためには、運動前のストレッチ、ウォーミングアップを十分に行うことが重要です。アキレス腱断裂は、完治するまで半年ほどかかることもありますので、断裂してしまったときはすぐに応急処置を行い、早めに整形外科を受診しましょう。