記事監修医師
日本赤十字社医療センター、歯科・口腔外科
川俣 綾 先生
2017/10/2
記事監修医師
日本赤十字社医療センター、歯科・口腔外科
川俣 綾 先生
大人だけではなく子供にも口臭があることをご存知ですか?
子供の口臭対策には、親御さんの正しい理解と対処が大切です。
この記事でご紹介する口臭の原因や改善方法を参考にして、お子さんの口臭を解決・予防しましょう。
子供の口も大人と同じように臭うことがありますが、子供の口臭は大人の口臭といくつかの点で異なります。代表的な特徴は以下の通りです。
・1日中ずっと臭いがする
・ときどき臭いが気になる
・体調が悪いときに口臭がする
・3~6歳になったタイミングで急に口臭がするようになった
・思春期になって口臭がするようになった
どのようなタイミングで口臭が発生するようになったのかがわかると、原因を特定しやすくなります。
思い出せる範囲でよいので、いつごろから口臭が気になるようになったのかを確認してみましょう。
子供の口臭の原因は、以下のようなことが多いです。
気になるようであれば、当てはまる項目がないかどうかチェックしてみましょう。
歯磨きが充分にできていないと口の中に食べかすなどの汚れが残ってしまいます。汚れが残っていると口の中で細菌が繁殖してイヤな臭いの元をつくるため、口臭が発生するようになります。
また、歯磨きがきちんとできていないことで虫歯や歯周病になってしまうことも口臭の原因になります。
口呼吸でいる時間が長いと口の中に細菌が入りやすくなり、侵入した細菌によって口臭の原因となる虫歯や歯周病が引き起こされる可能性が高くなります。
また、口呼吸をすると口の中が乾いて細菌が繁殖しやすい状態になることも口臭が生じる原因のひとつです。
唾液は口内を殺菌・洗浄する働きがありますが、食べ物を噛む回数が減ると唾液の分泌量が不十分になります。唾液の減少によって口臭の元となる細菌や歯周病菌が口の中にとどまりやすくなるため、口臭が発生しやすくなるのです。
子供の場合、風邪などで免疫力が低下することや精神的なストレス(ストレスによって唾液の分泌量が減るため)を受けることで口臭が発生しやすい傾向があります。
子供の口臭改善には、家族の協力が欠かせません。
一度子供と一緒に歯科医院を受診し、歯科医から臭いの程度や口の中の状態を確かめてもらうと同時に家庭で行うべき口臭対策の指導を受け、口臭に関する正しい知識を身に付けましょう。
ここでは具体的な口臭対策を紹介します。
いずれもご家庭で取り組める内容なので、家族全員で口臭を予防しましょう。
ダラダラと食べ続ける習慣があると、食べかすなどで口の中が汚れている時間が長くなります。
食事やおやつは時間を決めて食べましょう。
食べかす、細菌、歯垢などを取り除いて口の中をキレイに保つためにも、食後にすぐに歯磨きをするクセをつけましょう。小さなお子さんは磨き残しが起こりやすいので、寝る前の歯磨きは親御さんが仕上げをしてあげることがおすすめです。
口呼吸をすると空気が直接入って口の中が乾燥し、唾液の量が減ってしまいます。口ではなく、できるだけ鼻で呼吸するように指導しましょう。
子供の口臭には様々な原因がありますが、中には口のトラブル以外の病気が原因で口臭が発生している可能性があります。
歯科医院を受診して家庭で対処しても口臭が改善しないようであれば、耳鼻科や小児科を受診しましょう。