特定難治疾患「クローン病」の原因とは!?寛解と再燃って何?

2017/10/16 記事改定日: 2018/10/5
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

「クローン病」という病気をご存知ですか?国の指定難病にも定められている腸疾患の一種で、比較的若い年齢の患者さんが発症することの多い病気です。では、このクローン病を発症するのはなぜでしょうか。原因や治療法などについて解説していきます。

クローン病の原因は解明されていない?

クローン病の原因ははっきりとはわかっていません。考えられる原因には様々なものがあるのですが、1つは遺伝的な要因です。
また、「結核菌によく似た細菌やウイルスに感染することで発症する」という説や、「食物に含まれている何らかの成分が腸の粘膜に異常を引き起こすことで発症する」という説も報告されています。

クローン病については様々な研究がされていますが、遺伝的な要因を背景にして、免疫に関わる細胞が異常を起こしているのではないかということも考えられています。

ストレスが原因?

クローン病の発症メカニズムは明確には解明されていません。しかし、免疫系統の異常が発症に大きく関与していると考えられています。

ストレスが直接発症の原因になることはありませんが、ストレスが長期間にわたってかかることで、症状が悪化することが多いといわれています。このため、休息や十分な睡眠時間を確保し、なるべくストレスがたまらない生活を心がけるようにしましょう。

クローン病の症状の特徴とは?

クローン病とは、消化器(主に小腸や大腸)に炎症や潰瘍が見られる炎症性腸疾患の1つです。
炎症性腸疾患には、原因がはっきりと特定される「特異的炎症性腸疾患」と、原因がはっきりと分からない「非特異的炎症性腸疾患」にわけられますが、クローン病は後者の非特異的炎症性腸疾患に当たります。

さらに、クローン病は発症する患部によって3つのタイプにわかれています。1つは小腸だけに発症する「小腸型」、そして小腸と大腸に発症する「小腸大腸型」、最後に大腸だけに発症する「大腸型」というものです。

クローン病には、いくつかの自覚症状があります。

腹痛

1つは腹痛です。はじめは、腸に炎症が起きることで何となく腹部が痛いように感じます。しかしひどくなると、消化管以外とも合併症を引き起こし、尿路結石や胆石ができてしまうことで痛みを感じるようになるのです。

下痢・血便

クローン病では、腸管粘膜に炎症が生じます。特に大腸の粘膜に炎症が生じると、粘膜からの水分吸収が十分に行われず、便の水分量が増えることで下痢を引き起こします。炎症が強くなると、粘膜から出血を起こすこともあり、これが便と混じることで血便を生じることも少なくありません。
さらに炎症が悪化すると、腸管の壁に大きな潰瘍を形成し、穴が開いてしまうこともあるので注意が必要です。

体重減少

体重の減少もわかりやすい自覚症状の1つです。腸に炎症が起こることで栄養の消化、吸収状態は悪くなります。そうなると栄養障害を引き起こし、体重が減ってしまうのです。
栄養障害は消化、吸収の機能が低下したり、下痢したりすることで体内の栄養素が排出されやすくなることで起こります。

発熱

クローン病が悪化すると発熱を伴うこともあります。微熱が続くことが多いのですが、膿瘍などの合併症があると高熱になることもあります。

肛門痛

クローン病では肛門痛が生じやすいのも特徴です。
下痢を繰り返すことで肛門の粘膜に炎症が生じて痛みを引き起こすこともありますが、クローン病は腸管に生じる粘膜炎症が腸管以外にも肛門部の粘膜に生じることがあります。
その結果、肛門の粘膜に潰瘍やむくみが生じて痛みを引き起こすのです。また、肛門の病変が悪化すると、肛門内の病変部から皮膚に穴ができる痔瘻を形成することもあります。

クローン病の寛解と再燃について

クローン病は寛解と再発を繰り返す病気です。寛解とは、治療によって症状が落ち着くことで、再燃とは寛解期を経て再び症状が現れることを言います。

残念ながら、クローン病は根本的な治療がないため、症状がない場合でも寛解状態を維持するために適切な治療を続ける必要があります。数年の寛解期を経て再燃する場合もありますので、長く症状が見られないからと言って自己判断で治療を中止することのないようにしましょう。

治療方法や治療の目的は?

クローン病は原因不明であり、現状では根本的な治療法はありません。そのため、再燃を防ぎ寛解の期間をできるだけ長くすることが、治療の目的とされています。

再発させないようにするためには、生活リズムの改善して食生活にも十分に気を配ることが大切であり、腸管に炎症がある場合は栄養療法を行うのが一般的です。栄養療法は中心静脈栄養と経腸栄養というものにさらに分けられますが、炎症のコントロールのために、日本では主に薬物療法と併用していきます。

おわりに:症状をコントロールする継続的な治療が大切

原因不明で、治療法もまだ確立されていない「クローン病」。研究が進み、新薬が開発されるその日まで、寛解状態を持続するための治療を根気よく続けていきましょう。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

治療(462) 原因(609) 症状(559) クローン病(20)