消えない蒙古斑は治療した方がいいの?なくならない青あざの原因とは

2017/10/13

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

赤ちゃんのお尻や背中などに出現する蒙古班は、基本的には成長とともに消えていくものです。ただ、中にはいつまでも消えないものも…。そんな消えない蒙古班や青あざは、治療したほうがいいのでしょうか?考えられる原因にはどんなものがあるでしょうか?

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蒙古斑は通常いつ頃に消えるのか?


蒙古斑(もうこはん)とは、赤ちゃんのお尻にできる青灰色のあざのようなもので、3歳から6歳あたりの間に全て消滅するのが一般的です。主に先天性の症状であり、後天性のものは確認されていません。後天的にできた青あざは、蒙古斑ではなく他の病気や症状の可能性が高いと言えます。

消えない蒙古斑にはどんな種類がある?


6歳を過ぎても蒙古班が消えない場合、通常の蒙古班ではなく、次の皮膚症状の可能性があります。

異所性(持続性)蒙古斑

異所性(持続性)蒙古斑とは、お尻ではなく手足やお腹、胸元あたりにできる蒙古班のことです。異所性蒙古斑の場合は、一般的な蒙古班とは違い、10歳くらいまで残り続けたり、もしくは一生残り続けたりすることがあります。

太田母斑

太田母斑とは、主に目のまわりや頬など顔に出現するあざの一種です。やや茶色がかった、色むらのある青あざが小さく班をつくり、基本的には片側のみに現れるのが特徴です。赤ちゃんのときから出現することもあれば、思春期になってから目立ってくる場合もあります。なお、男性よりも女性の発生率が高く、これはホルモンバランスの影響によるものと考えられています。蒙古班とは違い、自然に消滅することはまれです。

伊藤母斑

伊藤母斑とは、肩から肩甲骨にかけて出現する青あざです。基本的な性質は太田母斑とほぼ同じです。

青色母斑

乳幼児期に発生する、青もしくは黒っぽいしこりです。1cm以下のものがほとんどですが、中には1cmより大きくなるものもあり、その場合は悪性化する恐れがあるので注意が必要です。太田母斑や伊藤母斑とは異なり、色むらはありません。

治療は必要?


基本的に蒙古班はメラニン色素の影響で皮膚に色が付いているだけなので、悪性のものではありませんし、ご自身が不快に思わないのであれば放置しても問題ありません。

ただ、もし気になるならば6歳から遅くても10歳までに治療を開始することをおすすめします。思春期に突入すると、蒙古斑が要因で新たなコンプレックスが生じる可能性があるからです。青あざや蒙古斑などが原因で対人関係にストレスが伴うなら治療すべきです。

消えない蒙古斑や青あざの治療方法

消えない蒙古斑や青あざは、基本的にレーザー治療で治療することができます。色素細胞を砕く「Qスイッチレーザー」による治療を行っていくのが主流ですが、1回では完治しません。目安として5回以上は照射する必要がありますが、回数を経るにつれて色素が薄くなっていくのを実感できるようになります。

ただ、Qスイッチレーザー治療によって色素沈着が起きてしまったり、少し炎症を起こしたりといったトラブルがみられることがあります。また、治療中は痛みを伴うため、特に子供の患者さんは入院と全身麻酔が必要になるという点も考慮に入れておく必要があるでしょう。

なお、悪性の青色母斑の場合、上記のレーザー治療とは異なる方法で治療を行っていくことになります。青色母斑は異所性蒙古斑と区別がつきにくい場合もあるので、専門医のもとで正確な検査を受けることがまずは大切です。

おわりに:中には危険な青あざも!

蒙古班が一定年齢を過ぎても消えない場合は、一般的な蒙古班ではない、異所性蒙古斑やその他の母斑の可能性が高いと考えられます。多くの青あざは放置しても健康被害がないケースがほとんどですが、ものによっては要注意の可能性もあるので、詳しくは専門医のもとで検査を受けるようにしてください。

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