大人のはしかは何が危険?予防接種を受けた方がいいのはどんなとき?

2017/11/2 記事改定日: 2018/7/3
記事改定回数:1回

記事監修医師

日本赤十字社医療センター、健康管理科

小松 淳子 先生

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

「はしか=子供がかかる感染症」というイメージが強いかもしれませんが、実は大人になってからも発症することがあるのです。以降で、大人のはしかの症状の特徴と、どんな人がはしかの予防接種をするべきかを解説していきます。

はしかになるとどんな症状が現れる?

はしかとは、はしかウイルスによって引き起こされる感染症の一種です。はしかウイルスに感染すると、約10日の潜伏期間を経てから38℃前後の発熱が2~4日続き、倦怠感や鼻水、喉の痛みといった風邪のような症状が現れるようになります。その後、39℃を超える高熱と全身の発疹が3~4日続きますが、徐々に回復していくのが一般的です。

大人のはしかの症状の特徴と注意点

大人でもはしかに感染して発症することがあります。しかし、発症した場合でもワクチン接種をした人としていない人では症状は大きく異なります。
ワクチン接種をしていない人やワクチン接種をしたものの抗体がない人では、典型的なはしか症状が現れ、高熱やのどの痛み・鼻水などの上気道炎症状・皮疹が現れます。

一方、ワクチン接種をした人は典型的なはしか症状は現れず、熱が37度台に留まったり、皮疹はあるものの上気道炎症状がないなど、多様な病状となります。このようなはしかを「修飾麻疹」といいますが、典型的な症状が現れないため、多くははしかの発症を見逃されており、感染拡大の重大な原因となっています。

はしか患者と接点があり、発熱後に皮疹が現れたり、通常の風邪よりも倦怠感がひどい症状が現れたような場合にははしかを疑った方がよいでしょう。

大人がはしかになると、何が危険なの?

はしかは伝染力が非常に強く、公共交通機関や病院での待合室などで数分間、発症者と同じ空間にいるだけで感染する恐れがあります。
このため、大人がはしかを発症すると通学・通勤での交通機関や学校・職場などで他者に感染を広げる可能性が高くなります。
また、妊婦でははしかを発症すると流産しやすくなるとの報告もあり、特に身近に妊婦がいる人は注意しなくてはなりません。

はしかの予防接種を受けたほうがよい大人は?

はしかウイルスは接触や飛沫だけでなく、空気感染することもある非常に感染力が強いウイルスで、「免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症する」ともいわれています。感染すると先述の症状が引き起こされるだけでなく、脳炎といった重篤な合併症が起きる可能性もあるので、はしかの予防接種を受けることが非常に大切です。

はしかの予防接種を受けたほうがよいのは、「はしかにかかったことがなく、ワクチンを1回も受けたことのない方」です。ただ、できればワクチンは2回接種することが望ましいです。ワクチンは1回接種すれば93~95%以上の方が免疫を獲得できますが、一部免疫がつけられない方もいます。しかし、そういった方も2回接種することで免疫をつけられる可能性が高く、実際2回の接種で97~99%の方が免疫を獲得できたという統計結果も得られています。また、幼少期にワクチンを接種しても時間の経過とともに免疫が低下してしまうことがありますが、こちらも2回目のワクチン接種で免疫を強化できると考えられています。

平成2年4月2日以降に生まれた方であれば、定期接種として2回のはしか含有ワクチンを受けていたので基本的には問題ありませんが、それ以前に生まれた方は1回のワクチン接種のみの場合が多いので、再度の予防接種を検討することをおすすめします。特に医療従事者や学校・保育・福祉関係者、はしかの流行国へ渡航予定のある方、妊娠希望の女性は、より2度のワクチン接種が望まれます。

大人がはしかの予防接種を受けるにはどうしたらいい?

大人でも抗体がない場合にははしかの予防接種を受けることがすすめられています。
現在、はしか単独のワクチンはほとんどないため、はしかと風疹の混合ワクチンであるMRワクチンが使用されることが多いですが、ワクチン一回の接種で10年ほどの効果があると考えられています。
ワクチン接種は内科や小児科などの一般的な医療機関で受けることができますが、費用は自己負担となり、一回接種で5000~8000円が相場です。しかし、自治体によっては妊娠を望むカップルや夫婦に対してワクチン接種料の補助を行っていることもありますので、お住いの自治体に問い合わせてみましょう。

はしかの予防接種、副反応はある?

はしかの予防接種を初めて受けた場合、約20~30%の方に発熱、約10%の方に発疹が起きることがありますが、いずれも軽度であり自然に治癒することがほとんどなので、基本的には心配いりません。ただし、女性の場合は胎児に影響を与える可能性があるため、接種後2ヵ月間は妊娠を避ける必要があります。

おわりに:予防接種を受けたことがない、はしかにかかったことがない場合は、予防接種の検討を

「免疫のない人が感染するとほぼ100%発症する」ともいわれるはしか。免疫がなければ、大人になってからも十分発症する可能性があります。はしかにかかったことがなく、予防接種を受けたこともないという方は、早めに専門の医療機関でワクチンを接種するようにしてください。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

ワクチン(53) 予防接種(52) 大人(55) 麻疹(10) 副反応(10)