メンタルヘルスとは !?心の健康はどうやってマネジメントするの?

2017/10/17 記事改定日: 2018/8/3
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

メンタルヘルスとは何かご存知でしょうか?聞いたことはある、なんとなく意味はわかるとは思いますが、定義をきちんと理解している人はそこまで多くないかもしれませんね。この記事では、メンタルヘルスの意味と定義、心の健康を保つために気をつけることについて紹介しています。

メンタルヘルスとは?

メンタルヘルスは、一般的に「心の健康管理」という意味であり、医学的には精神保健といわれています。世界保健機構(WHO)憲章によれば、「健康とは単に病気がないというだけでなく、肉体的にも、精神的にも、また社会的にもwell-beingな状態」と定義されており、メンタルヘルスは、well-beingな状態を維持向上することを目的としています。

目的

心の病気はだれでもかかり得る病気であるため、メンタルヘルスのケアは身体の健康管理とともに欠かせないものなのです。また、メンタルヘルスは、地域、家庭、職場など様々な場で求められています。とくに職場に対しては、最近の労働環境が人々の疲労やストレスを高め健康を損ねる一因になっているとし、厚生労働省は2008年に「メンタルヘルスケア指針」を策定し、職場のメンタルヘルスを推進しています。

心が健康な状態って、どういうこと?

さて、「心が健康な状態」とはどのような状態なのでしょうか。
厚生労働省は、心の健康を「いきいきと自分らしく生きるための重要な条件」とし、

  • 自らの感情に気づいて表現できること(情緒的健康)
  • 状況に応じて適切に考え、現実的な問題解決ができること(知的健康)
  • 他人や社会と建設的でよい関係を築けること(社会的健康)
  • 人生の目的や意義を見出し、主体的に人生を選択すること(人間的健康)

具体的に上記の4点を挙げています。
つまり、これらが満たされている状態が「心が健康な状態」であるといえるでしょう。

環境・生活習慣とメンタルヘルス

また、心の健康は、個人の資質や能力の他に身体状況、社会経済状況、住居や職場の環境、対人関係といった多くの要因が影響し、とくに身体の状態と心の健康は相互に強く関係しているといわれています。
そして、心の健康を保つには、適度な運動や、バランスのとれた栄養・食生活、そして心身の疲労の回復に欠かせない「休養」が必須です。また、十分な睡眠をとり、ストレスと上手につきあうことも心の健康に欠かせない要素となっています。

メンタルヘルスが注目される理由とは?

労働環境が心の健康を損ねる原因になっていると先述したように、現代社会は非常にストレスの多い社会だといわれています。心の病には精神障害としての精神分裂病、躁うつ病、人格障害、薬物依存、痴呆などさまざまなものがあります。
そのなかの一例として、現代のストレス社会ではうつ病が大きな問題になっています。世界の人口のうち3~5%がうつ病であるとの報告もあり、うつ病は多くの人がかかる可能性を持つ精神疾患です。
また、自殺者の多くはこのうつ病が背景にあると考えられているため、うつ病を早期発見し適切に治療することが自殺予防のひとつの大きな鍵になるといえるでしょう。

このように、現代社会において、ストレスのさらされた人々の心の健康を維持するために、心の病気への対応、つまりメンタルヘルスを多くの人が理解し、自分と他者のために取り組むことが求められているのです。

メンタルヘルスはどうやってチェックするの?

メンタルヘルスにはチェックが欠かせません。セルフチェックはとても重要です。定期的に、そして意識的にセルフチェックすることは心の健康維持に大きく繋がっていきます。ストレスがないか、心は元気か常に自分に問いかけ、サインを見逃さないようにすることが大切です。下記のような心身の変化がないかチェックしてみてください。

  • 疲れやすく、だるさがある
  • 周囲の音に敏感になった
  • 最近、気落ちしたり、気分が重くなるように感じるようになった。
  • 会議や作業に集中できない
  • 不注意でケガをすることが増えた
  • 肩こりや頭痛などが増えた
  • 眠れない日が増えた
  • 食事を美味しく感じない

また、私たちがメンタルヘルスの診断をする方法には、職場と社会機関の2つの方法があります。まず、企業の場合、年に一度のストレスチェックが義務的に行われており、とくに、うつ病に関しては、ラインケアが実施されており管理職も気をつけていると思われます。

さらに、産業保険スタッフに相談し、チェック、援助を得るという方法もあります。社会機関としては、精神科や心療内科などにかかってみるのも一つの手です。より専門的なチェックと指導をしてくれるでしょう。

職場で取り入れるべきラインケアとは?

ラインケアとは、課長や部長など部下を持つ責任者が直属の部下に対して様々な悩みやストレスなどの相談に乗って、事業主などの管理者にその相談内容を基にして職場の環境改善や職員配置などを進言するという取り組みです。

課長や部長などライン責任者はメンタルヘルスに対する正しい知識や対処方法を習得する必要があるため、事業所はこれらの責任者に対して研修や情報提供を行う必要があります。

また責任者は部下からの相談だけでなく、自身が部下一人一人の就業状況や業務内容、休暇取得率などをしっかりと把握し、メンタルヘルスに異常を来たしている可能性のある部下に対して積極的に声掛けを行って、相談しやすい良好な関係を築くことも必要です。

おわりに:体や心の変化をセルフチェックすることが、メンタルヘルスの鍵になる

メンタルヘルス=心の健康管理には、心と体の健康状態を定期的にチェックし、「心が元気」かどうかを常に確認することが大切です。セルフチェックを怠らないようにしながら、何か変化や不安を感じたときは、最寄の社会機関や精神科、心療内科などの医療機関を訪ねるようにしましょう。

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