めまいは更年期が原因でも起こる!?

2017/10/26

前田 裕斗 先生

記事監修医師

前田 裕斗 先生

顔のほてりやイライラなど、さまざまな症状に悩まされる更年期ですが、中でもよく現れる症状として知られるのが「めまい」です。「めまいは更年期のせいで引き起こされる」という話をきいたことがあるかもしれませんが、果たしてこれは本当なのでしょうか?

更年期にはさまざまな体の変化が・・・


更年期とは、40代半ばから50代半ばごろまでの約10年間のことを指します。このころになると、女性は閉経が近づき、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの分泌が急激に減少することが原因で、いろいろな体調の変化が起こります。

この体の変化によって起こる不調を更年期障害と呼びます。ホットフラッシュと呼ばれる、のぼせやほてり、発汗といった症状はよく知られていますが、他にもたくさんあります。例えば、頭痛や不眠、動悸、息切れ、立ちくらみ、肩こり、腹痛、腰痛などの身体的不調のほか、イライラやうつ状態、不安感といった精神的不調もあらわれます。そして中でも特に一般的な更年期の症状が、めまいです。

更年期はどんなめまいが多い?


更年期障害によっておこるめまいは、浮動性・動揺性めまいです。浮動性めまいとは、船に乗ってゆらゆらゆれているような、雲の上を歩いているような、体がふわふわと浮くようなめまいを指します。長期的に繰り返し続く場合が多いです。また、動揺性めまいも、体がふらふらし、足が地につかないような感じのものです。

その他、回転性めまいが起こることもあります。突然周りの景色や壁などがぐるぐると回っているように感じるものです。吐き気を伴うこともありますが、30秒~60秒で治まります。

また、めまいとともに、耳鳴りがあらわれるのも特徴のひとつです。耳の中でキーンといった音を感じます。症状は一過性のもので、自然に治るといわれています。

更年期のめまいの原因とは


更年期のめまいの原因は、女性ホルモンのうちのエストロゲンの分泌が急激に減少することで、ホルモンバランスが崩れ、自律神経の働きが乱れることだといわれています。

また、ホルモンバランスが乱れている状態が続くうちに、脳の視床下部が混乱します。そうすると脳の視床下部が司る自律神経にも影響をきたしてしまいます。この自律神経が乱れによって血管運動系の機能に障害を起こすと、血圧が安定しなくなり、それによってめまいや立ちくらみといった症状があらわれるようになります。

ただ、めまいは病気が原因でも起こることがあります。辛い症状が続く場合は、何が原因かをはっきりさせるために、早めに病院で検査を受け、診断してもらうことが大切です。

生活習慣の改善で対処しよう


更年期障害によるめまい対策としては、症状が起こったら、まずは安静にすることが第一です。症状があらわれたら無理せず、しばらくその場にしゃがんだり、横になるなどして、症状が治まるまでじっと安静にするようにしましょう。無理に動くと転倒のおそれがあります。

また、めまいが病気によるものではない場合は、生活習慣の改善が有効です。ホルモン分泌の低下だけでなく、ストレスが引き金となっていることあるので、充分な睡眠をとってストレスのない生活を送るようにすることが大切です。

また、血圧が高かったり低かったりしてもめまいを起こしやすくなるため、血圧を安定させるために、暴飲暴食は控え、健康的な食生活を心掛けましょう。また、適度な運動も、血流を促進し自律神経を鍛えることにつながるのでおすすめです。

おわりに:更年期によるめまいは、生活習慣の改善が有効!

更年期になると、ホルモンバランスが崩れることによって自律神経が乱れるため、めまいが引き起こされると考えられています。自律神経の乱れは生活習慣の改善によって緩和されることが多いので、めまいにお悩みなら、食生活等の見直しから始めていきましょう。

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