記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/10/23 記事改定日: 2019/9/13
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
肘内障は子供に多いトラブルで、親が子供の手を不意に引っ張ったときに起こりやすいです。正しく整復されれば特に問題はありませんが、再発も多いので注意が必要です。この記事では、肘内障の治し方、治療について解説しています。
肘の骨(橈骨頭)が靭帯から外れかかってしまい、肘の関節が亜脱臼している状態のことを「肘内障」と言い、関節から橈骨頭が完全にずれてしまう完全脱臼とは区別されます。肘内障は特に1歳から3歳の幼児から5歳までに起こりやすく、中でも乳幼児に多く見られるため、小児肘内障と呼ばれることもあります。
肘内障が子供にみられる原因として、関節の可動域が広く、かつ、靭帯が弱いということが挙げられます。親が子供と手を繋いで歩いているときに、子供が不意な動きをしたり転びそうになって腕を強く引っ張るタイミングで発症することが多いようです。また、不自然な姿勢で寝返りをしたときにも発症することがあります。
肘内障になると、肘を曲げることが出来ない、肘が痛む、前腕(肘から先のこと)が内側を向いている、激しく泣くなどの症状が現れます。肘内障は、赤みや腫れはみられないものの、骨折の可能性も否定できないため、上記のような状況がみられる場合はすぐに整形外科を受診しましょう。
自然治癒することもありますが、非常にまれなケースであり、症状が悪化する恐れもあります。最悪の場合、組織の損傷や間違った位置に骨を入れてしまう恐れもありますので、自己流ではなく、必ず整形外科などの専門医に治してもらいましょう。
肘内障は一度治っても、靭帯がしっかりと成長するまでは何度も再発しやすいケースが多いです。5~6歳まで成長すると、肘の靭帯もしっかりとしますので、再発は少なくなります。しかし、成長した後でも、何度も繰り返してしまう場合もあります。
再発を防ぐためにも、手を強く引っ張るような動作は避けた方が良いでしょう。さらに、普段から手や腕を引っ張るような動作はしないようにしてください。
もし自分で整復できた場合でも、必ず医師に状態を確認してもらってください。また、再発も多いので、手を強く引っ張る動作は控えましょう。