風邪薬は、症状によって使い分けたほうがいいのはどうして?

2017/10/24 記事改定日: 2018/3/30
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

風邪に効く特効薬はまだ見つかっていないため、薬を服用してもすぐに治るわけではありません。でも、風邪薬を飲むことでつらい症状を抑えたり、風邪から早く回復したりすることが期待できます。この記事では風邪薬に含まれる有効成分について、症状ごとにまとめていました。自分の症状に合う風邪薬を選んで、回復に役立ててください。

鼻水やくしゃみをなんとかしたいときは?

鼻水や鼻づまり、くしゃみを抑えたいときは、「抗ヒスタミン剤」が含まれている風邪薬を選ぶのがおすすめです。

抗ヒスタミン剤は、体内で作られるヒスタミンが原因で発症するアレルギー症状を抑える効果があり、以下のような種類があります。

クロルフェニラミンマレイン酸塩

抗ヒスタミン剤の一種です。くしゃみや鼻水だけでなく、のどの腫れや炎症といった症状も抑えます。

マレイン酸カルビノキサミン

抗ヒスタミン剤の一種で、くしゃみや鼻水、鼻づまりを抑える働きがあります。

フマル酸クレマスチン

抗ヒスタミン剤の一種です。効果の持続時間が長く、鼻水やくしゃみなどを抑えます。

塩酸プソイドエフェドリン

血管の収縮作用があり、鼻の粘膜の腫れや充血を抑えることで鼻づまりを改善する成分です。

ベラドンナ総アルカロイド

副交感神経に作用することにより、鼻水をおさえます。

咳や痰を止めたいときは?

咳や痰を止めたいときは、「鎮咳剤」「去痰剤」「気管拡張剤」が配合された風邪薬を選ぶのがおすすめです。咳や痰を抑える効果がある成分として、以下のようなものがあります。

ジヒドロコデインリン酸塩

咳の中枢に働きかけることによって、咳を抑えます。

ノスカピン

咳をしずめて、呼吸を楽にする働きがあります。

dl-メチルエフェドリン塩酸塩

交感神経への刺激によって、気管を拡張させる働きがある成分です。気管を広げることで、息苦しさを取り除いたり、咳を抑えたりする効果があります。

L-カルボシステイン

気道からの粘液を調整したり、粘膜を正常にしたりする作用によって、痰を出しやすくする効果がある成分です。

ブロムヘキシン塩酸塩

痰をやわらかくしたり、気道粘膜の線毛運動を促したりすることで、のどに付着したウイルスや細菌の排出を促したり、痰が切れやすくなったりします。

熱や痛みを抑えたいときは?

熱や痛みを抑えたいときは、「解熱剤」「消炎鎮痛剤」といった有効成分が含まれている風邪薬を選ぶのがおすすめです。主な成分として、以下のようなものがあります。

アセトアミノフェン

アセトアミノフェンは、頭痛薬などにもよく含まれる成分で、鎮痛・解熱作用があります。病院で処方される「カロナール®」の有効成分でもあります。また、脳の視床下部にある体温調節中枢に働きかけることによって、熱を下げて痛みを鎮める働きがありますが、炎症を抑える働き(消炎作用)はほとんどありません。

イブプロフェン

プロスタグランジンという痛みや熱の原因物質が作られるのを抑えることで、熱を下げたり、痛みを抑えたりする成分です。抗炎症作用もあります。

トラネキサム酸

のどの腫れや炎症、痛みに処方される薬の主成分です。出血を止めたり、アレルギー反応や炎症反応を抑えたりする働きがあります。

また、ほとんどの風邪薬には、鎮痛成分をサポートする「無水カフェイン」も含まれています。

風邪薬は対処療法で使おう

残念ながら、現在のところ、風邪を根本的に治す特効薬はありません。ドラッグストアに行くと、咳止めや解熱剤、あるいは鼻水を止める薬など、さまざまな風邪薬が販売されています。また、風邪で病院に行けば、薬を処方してもらえるかもしれません。

ただし、風邪薬はあくまで発熱や頭痛、のどの痛み、咳(せき)、痰(たん)、鼻水・鼻づまりといった風邪の諸症状を和らげるのを助けます。服用すれば、治りが早くなることが期待できます。

抗菌薬では風邪は治らない!

もしかすると、病院で抗菌薬を処方してもらえば風邪はすぐに治る、と思っている方も中にはいらっしゃるかもしれません。しかし、抗菌薬は細菌を殺したり、細菌の増殖を防いだりするための薬です。風邪は細菌によって発症することもありますが、多くはウイルスが原因である場合がほとんどのため、抗菌薬を服用しても風邪が治るわけではありません

ただ、風邪薬を飲むのは意味がない、というわけではありません。風邪薬を飲めば、不快な症状を楽にすることができるので、寝つきがよくなったり、食事を摂りやすくなったりすることができます。これにより、自然治癒力が高まり、早期回復につながると言えます。

おわりに:風邪薬は症状にあわせて使い分け、用量用法を守って正しく服用しよう

薬に頼りすぎることはおすすめできませんが、つらい症状をガマンしすぎるのもよくありません。うまく風邪薬を利用することも、風邪を早く治すためには必要な場合があります。

ただし、他の薬との飲みあわせや、症状や原因によって、風邪薬の服用ができない場合もあります。風邪のときはなるべく病院を受診するようにして、自分にあった薬を処方してもらうようにしましょう。

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