記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/10/31 記事改定日: 2019/6/17
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
真面目で勤勉な方はうつ病などさまざまな精神疾患にかかりやすいとされていますが、ほかにも気をつけなくてはいけない症状があります。「燃え尽き症候群」です。一度は聞いたことのある言葉だとは思いますが、具体的な症状や原因などを以降で詳しく解説していきます。
燃え尽き症候群とは、何かの物事や目標に対し一生懸命になっていたものの、望んだような結果が出せず空虚感や徒労感だけが残ってしまう心理状態のことです。
「頑張った後の一時的な反動」と見て取り、時間が解決してくれると判断してしまうことがあるようですが、実際は深刻な症状であることも多いので注意が必要です。
燃え尽き症候群はうつ病の一種とされ、発症すると学習や勤労の継続が難しくなるなど、あらゆることへの意欲が失われていきます。
これはもともと必死になって頑張っていた事柄だけに限らず、社会的な生活をするうえで必要なことすべてに影響してくる可能性があります。
燃え尽き症候群では次のような心身の症状や変化が現れます。当てはまる項目が多い人は燃え尽き症候群を発症している可能性がありますので、症状が長引く場合は放置せずにできるだけ早く心療内科など専門の医療機関に相談するようにしましょう。
燃え尽き症候群の主な原因はストレスです。
これは望んだ結果が出なかったというときのストレスだけでなく、その過程の中で受けたストレスも大きく関わってきます。
完璧な成果ばかりを意識してしまうとどうしても無理をし過ぎてしまい、身体の休養はもちろん、心の休養もままならない状態で努力を重ねていくことになり、自然とストレスが蓄積されてしまうのです。
燃え尽き症候群は次のような性格や特徴の人がなりやすいとされています。思い当たる項目が多い人は、今現在無理をしていないか見直し、無理のない生活を心がけ、上記のような気になる症状がある場合には早めに病院に相談するようにしましょう。
実際に燃え尽き症候群になった場合には、まず心理面でのケアが重要となります。たとえば「結果が残らなかったけれどそこまでの過程は財産になる」「自分ができることはしっかりやった」というように、自己肯定する意識を持つと楽になります。周りで支えてくれる人に相談をして、話を聞いてもらうのもいいでしょう。
そして無理のない程度に外出をして、外の空気を吸うのも大切です。何もしない時間があっても構いません。ただ1日中そういった状態にならないよう、散歩に出掛けるのもいいでしょう。軽めの運動は気分転換には最適です。少しでもやる気が起きたタイミングで、思い切って身体を動かしてみてください。ゆっくりと時間を使いながら、少しずつ治療に取り組んでいきましょう。
ひとつの物事に一生懸命取り組むあまりに、あるいは完璧を追い求めるあまりに、その反動として発症する可能性のある燃え尽き症候群。日頃から根を詰めすぎないように、適度に物事に取り組んだり、こまめに気分転換をしたりといったケアをすることが大切です。