痙攣性発声障害の原因とは!?手術治療はどうやって行われるの?

2017/11/20 記事改定日: 2018/12/17
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

声を出そうとしても、喉が震えてうまく発声できないことがある場合、「痙攣性発声障害」の可能性が考えられます。以降で具体的な症状や原因、治療法について解説していきます。

痙攣性発声障害とは

人は声を喉で出すのですが、声の高い低い、声を出す間隔などをコントロールするのは、喉の周辺にある喉頭筋です。痙攣性発声障害はその大事な役割を持つ喉頭筋で痙攣が起きることで、声が震えたり、途切れたりと、上手く発声できなくなる病気のことです。

この病気を発症することは非常に珍しいので、専門家である耳鼻咽喉科の医師でも診断をする事ができない可能性があります。治療をすれば改善することがありますが、完治することは難しい病気です。

同じように発声が上手くできない病気に吃音症があります。ただ、吃音症の場合、発声できない原因は舌の動きの障害にあるのに対し、痙攣性発声障害の場合は、前述のように喉の動きに障害が出ていることが原因で起こります。

痙攣性発声障害になると、どんな症状が現れるのか

痙攣性発声障害を発症すると、喉頭筋に痙攣が起こり、発声が難しくなります。

痙攣性発声障害には内転型と外転型の2つのタイプがあります。まず、内転型では呼気を喉から出すことができず、絞り出すような声になります。一方の外転型は、声を出そうとしてもまるで息が漏れているような声、ささやき声になるのが特徴です。

なお、いつでも痙攣が起きるというわけではなく、正常に発声できる時もあります。そのため、喉に障害があるわけではなく、精神的な問題であると誤解されることもあります。この誤解は大きなプレッシャーとなり、それが苦痛となってうつ病を発症してしまうケースも存在します。

痙攣性発声障害の原因

痙攣性発声障害については、まだわからない部分が多く、原因が特定されていません。ただ、喉の筋肉の動きをコントロールする大脳基底核に何らかの障害が起きて、命令が上手く伝わっていないために起こるのではないかと考えられています。

では、なぜ大脳基底核に障害が出てくるのかということについてですが、過度のストレスにさらされると正常に動かなくなるという研究があります。このことから、痙攣性発声障害にならないためには、何か失敗をしてしまったとしても深刻に考えすぎないこと、ストレスを感じたら息抜きをして解消すること、というようにリラックスできるよう心がけることが大切です。

痙攣性発声障害の治療法は

痙攣性発声障害は原因がわかっていないため、対症療法で治療をしていくことになります。よく行われるのはボトックス注射です。ボトックス注射はボツリヌス菌の毒素を投与することで、痙攣が出ている喉頭筋を麻痺させ、症状を抑えるというものです。これにより数ヶ月間は発作が起きないようにできます。体への負担は少ないですが、効果を持続させたいならば、繰り返し注射が必要です。

このほか、手術にて治療をすることもあり、時間はかかりますが言語聴覚士の指導を受けて音声訓練をするという方法もあります。
ボトックス注射や手術と組み合わせれることで効果が上がりやすいといわれています。

痙攣性発声障害の手術

痙攣性発声障害では、「甲状軟骨形成術2型」と「甲状披裂筋切除術」呼ばれる手術が行われます。

甲状軟骨形成術2型とは、喉の全面をぐるりと取り囲んでいる甲状軟骨の形を変える手術です。甲状軟骨を切開して広げ、チタン製の器具でブリッジを形成することで、声帯を広げる効果が期待できます。この術式は、発生時に声帯が強く閉まることが原因の痙攣性発声障害に有効とされています。

一方、甲状披裂筋切除術では、内視鏡などを用いて甲状披裂筋を切除します。甲状披裂筋は内咽頭筋の一つであり、声帯を短縮・萎縮させる働きがあります。このため、甲状披裂筋を切除することで声帯にできる隙間を増やし、発声しやすい状態に導きます。

おわりに:専門の医療機関に相談し、ストレスをこまめに発散して回復を待とう

ご自身に当てはまる症状はあったでしょうか。痙攣性発声障害を治す上では、日頃からストレスを溜めすぎないようにしつつ、専門の医療機関で治療を進めていくことが大切です。
まずは専門の医療機関に相談しましょう。

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