記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/11/24 記事改定日: 2019/10/16
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記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
手首の捻挫は、転んだときにとっさに手をついたことなどが原因で起こることが多いです。比較的起こりやすい捻挫ですが、もし捻挫してしまったときはどうやって治せばいいのでしょうか?
ここでは、手首の捻挫の応急処置や病院での治療法について解説していきます。
一般的に捻挫は、動かしても大丈夫な範囲を超えるほどの衝撃を関節が受けることで、じん帯や腱を損傷してしまうことで起こります。
手首の捻挫は、転んだときにとっさに壁や地面に手をつくなど、倒れそうになった体の全体重が一気に手首にかかってしまったときに起こりやすいです。
激しいスポーツで発生しやすく、足首の次に捻挫しやすい部位が手首といわれています。
手首を捻挫して激しい痛みが続いてしまうと、それが利き手だった場合は特に、日常生活全般に差し障りが出てくることになり、食事の折、箸やスプーンが持てなかったり、ドアノブを回せず部屋の出入りも困難になることもあります。
捻挫をした当日は湿布をしていても激しい痛みがあり、なかなか眠れないこともあるでしょう。また、眠ってからも寝返りを打った拍子に手首に体重をかけてしまい、激痛で目が覚めるケースも多いです。
また、仕事などで完全休養が難しい場合は、治りが遅くなるばかりか、無理をしたことで、いったん治ってから後に少しの衝撃で捻挫しやすくなってしまうなど、慢性的な不調を抱える心配もあります。
出血が無いからと軽く考えず、安静を心掛けましょう。
手首の捻挫では骨そのものが損傷してしまうケースもあるため、出血が無いからといって軽視せず、捻挫直後に速やかな応急処置を施して、痛みが強かったり、しばらく経っても腫れが引かない場合は医師の診察を受けてください。
まずは発生直後、速やかに「RICE処置」を施すことが重要です。
RICE処置とは、捻挫や打撲などのケガに応急に施す処置の、英単語4つの頭文字を取ってつけられています。安静にするRestのR、捻挫によって熱を持っている患部を冷やすIceのI、捻挫による炎症や内出血で起こる腫れを防ぐために患部を圧迫するCompressionのC、患部の内出血を悪化させないよう、患部を心臓よりも高い位置に上げる拳上を示すElevationのEです。
これらの動作をすべて行うRICE処置は、捻挫したことが判った直後に、速やかに実施することが大切です。甘く考えて放置してしまうと腫れがひどくなったり、内出血が悪化するといったリスクが高まってしまいます。
手首を捻挫したときは、次の手順にしたがってRICE処置を行いましょう。
発症直後から適切にRICE処置を行い、しばらく安静にしていても痛みが治まってくるどころかますます悪化してきたり、冷やしているにもかかわらず患部が熱を持ち続け、腫れもひどくなったりした場合は、速やかに医療機関を受診してください。
激しい痛みの場合、骨折や骨にひびが入っている状況と区別しにくいこともありますので、整骨院よりもレントゲン撮影のできる整形外科を受診することをおすすめします。
治療方法は医療機関や状態によって多少の違いはありますが、骨折がなく捻挫だけの場合は、まずは湿布薬で患部の炎症を押さえ、サポーターやテーピングで固定し治癒を促します。
いずれにしても初期のRICE処置の徹底が肝心で、それによって、その後の治りの早さも左右される面があります。
手首の捻挫の腫れや痛みは、捻挫後すぐに適切なRICE処置が行えるかどうかによって左右されます。スポーツをされている方や転倒することの多い方は、この方法をまず覚えておきましょう。